6月15日にフリープラクティスで幕を開けた第84回ル・マン24時間耐久レース。今回、LMP2には3人の日本人ドライバーが参戦しているが、そのうちのひとり、平川亮は今回が初めてのル・マン。予選3回目の終了後、平川に2日間の走行の感想を聞いた。
今シーズン、TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)のプログラムの一環で、将来のWECドライバーを目指した活動としてELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ/ル・マン24時間に挑戦している平川。所属しているティリエ・バイ・TDSレーシングはELMSでも強豪のひとつで、ELMS第2戦イモラでは優勝も飾っている。
今回のル・マンでも上位フィニッシュの期待がかかるところだが、平川は初めてのル・マン24時間のレースウイーク。まずは15日のフリープラクティスは二度ステアリングを握り、8周を周回。予選1回目は9周、16日の3回目で3周ステアリングを握った。
そんな平川に、かなり強い雨に見舞われた16日の走行後にレインでの感想を聞くと、「雨の量が増えたり減ったりしなければいいんですけど、雨が強くなってくるとなかなか見えないです。見えるところは見えるんですが、見えないところは本当に見えないので、いきなり足をすくわれることがあります」と語ってくれた。
また、平川にとっては夜間のドライブというのもなかなか経験することが難しいところ。ただ、「夜間走行は何カ所か見えづらいところもありますけど、意外と明るいです」という。
「見えにくいのは2~3カ所くらいでしょうか。このコースは平均速度が速いので、そこは難しいですね」
平川がドライブするティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車オレカは、予選1回目にマティアス・ベッシェがドライブし、7番手となった。上位をうかがうには十分とも思えるが、平川はこの結果は「悔しい」と語る。
「昨日はあまり調子が良くなくて。今日もドライでセットアップはしたかったですが」と平川。
「ただ昨日からセットアップを変えていい方向にいっています。ウォームアップでしっかり確認したいです。24時間、乗りづらいクルマではレースしたくないので(笑)」
スーパーGTでも、自ら「ゾーンに入った」という時の手の付けられない速さは非常に印象的な平川。その速さを、ル・マンという舞台でぜひ見てみたい。