妊娠中の女性に電車内で席を譲ってあげたいけれど、外見だけではなかなか判断しづらかったり、スマホ画面を見ていたり寝ていたりして気づかなかったりすることも事実。
そんな現状の助けとなるべく韓国の釜山で実施されたのが、「ピンクライトキャンペーン」なるユニークな試み。
なんとこれ、妊婦さんが車内に乗ると優先席にあるライトがピカーンとついてお知らせしてくれるというものなんです!
【妊婦さんが乗車するとライトが点灯!】
海外ニュースサイト「The Telegraph」の記事によると、このピンクライトキャンペーンは500人の妊婦さんによって、釜山の金海軽電鉄で5日間にわたって実施されたそう。
まず、バッジのようなセンサーを妊婦さんは自分の服やバッグにつけます。電車に乗るとセンサーが反応し、優先席すぐそばの手すりにあるライトが点灯します。それを見て乗客たちは妊婦さんに席を譲る必要があることがわかるという仕組みです。
【釜山市市長の考えは?】
釜山市の市長は、このキャンペーンについて「妊娠中の女性に対する配慮は優先されるべきで、このポリシーとともに公共交通機関はより簡単に、便利に使われるべきである」「女性は妊娠中であっても都市機能を快適に使えるべきである」と述べているそう。
【たしかに妊婦さんにはありがたいけれど……】
日本でもたびたび話題となる「マタニティマーク」問題。妊婦に席を譲ることは法律で決まっていることではなく、個人の善意や良識によるもの。だからこそ、立場や状況によってそこにはさまざまな意見があります。
極端な話、「マタニティマークをつけてるのに席を譲ってくれないなんて」と考える妊婦もいれば、「マタニティマークは ”席を譲れ” という無言のプレッシャーを感じて不愉快」と考える人も。また混雑している車内では、マタニティマークに気づけない場合もあります。ピンクライトキャンペーンは、こうした問題を一瞬にして解決するかもしれません。
しかし「ランプがつく=席を譲らなくてはならない」という無言のプレッシャーは、マタニティマーク以上に強いはず。ちょっと強制されている感があって、正直、私(記者)個人としては「そこまでする必要性があるのかな?」という気もします。
【譲り合いの精神がある社会へ】
日本では「ピンクライトキャンペーン」のような試みはされていませんが、そこは譲り合いの精神で乗り切れないものかと思うのは希望的観測すぎるでしょうか?
システムを作って半ば強制的にせずとも、電車内でお腹の大きな女性や、マタニティマークをつけている女性を見かけたら自然に席を譲り、妊婦さんはそれに対して「ありがとう」の気持ちを持つ。そんな社会であってほしいなと心から願いますが……皆さんはどのように思いますか?
ちなみに、日本で妊婦さんに配布されているマタニティマークですが、「席を譲って」という意味でつけるのではなく、あくまでもお腹の赤ちゃんや母親である妊婦の安全を守る意味でつけるものである。そういった認識も広がっていくと、さまざまな立場同志、より理解し合えるのではないかなと感じます。
参照元:YouTube、The Telegraph
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch