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米連邦政府や軍部1,351名分の個人情報が「IS」に マレーシアで逮捕のハッカー

2016年06月17日 10:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

昨年マレーシアであるハッキング集団のメンバーとみられる男が逮捕されていた。その被害の内容は、米国の安全保障を揺るがしかねないものであることを米紙『星条旗新聞(Stars and Stripes)』電子版が報じ、波紋を広げている。

昨年マレーシアで不正アクセス行為につき逮捕されたArdit Feriziというコソボ出身の21歳の男。コソボを拠点とするハッカー集団「KHS」のリーダーとしてクアラルンプールで暮らしながら、Twitterでは“Th3Dir3ctorY”というハンドルネームを使って活動していたという。その被害内容がもっとも深刻である米国で、このほどFeriziに対する裁判が始まった。

Feriziは昨年6月、あるオンライン小売業のサイトへの侵入に成功し約10万人分の顧客データなどを入手した。これをもとに米連邦政府、米軍職員の個人情報をまとめ「イスラム国(IS)」の英国人ハッカー、ジュネイド・フセイン(2015年8月、米軍のドローン攻撃により死亡)に転送。具体的には氏名、電子メールアドレス、電話番号、パスワード、勤務場所などでデータは1,351人分におよぶという。

仮逮捕令状により身柄は今年1月にマレーシアからワシントンD.C.に引き渡されていたFerizi。その裁判が米連邦地裁法廷でこのほど始まった。TwitterでIS支持を表明し、彼らに盗んだ情報を提供していたことをレオニー・ブリンケマ判事に厳しく問い詰められたFeriziは、「ネットサーフィンを楽しんでいる中でふと…。なぜこのような悪事に巻き込まれてしまったのか、自分でもよくわからない」と答えるだけで、サイバー攻撃の核心部分についてはろくに説明しないという。有罪となればFeriziには最高25年の懲役刑、および50万ドルの罰金刑が言い渡されるものとみられている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)