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AS Racing スーパー耐久第3戦鈴鹿 レースレポート

2016年06月16日 20:51  AUTOSPORT web

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スーパー耐久第3戦鈴鹿 ビズキューブレーシング ランサーX
スーパー耐久シリーズ2016 鈴鹿
『スーパー耐久サバイバルバトル鈴鹿4時間』
開催日:2016年6月10~6月12日

コース:鈴鹿サーキット
Wether/Condition:(予選)晴れ/DRY
Wether/Condition:(決勝)曇~雨/DRY~WET

チーム:ビズキューブレーシング ランサーX

ドライバー:田ヶ原章蔵/岡本武之/藤原能成
来場者数:14000人

■公式練習 6月10日
 前半戦の山場、その名も鈴鹿サバイバルバトル!!実は今回は予選落ちがあり、土曜日にまずクラス別に上位予選3位までが決勝へ自動的に進出。その後予選で3位までに残れなかった車両でセカンドチャンス100(1時間40分)の耐久レース(通常と同じルール)をやり、規定台数の上位に勝ち抜いたチームのみ、日曜日の4時間レースに進出できるというもの。

 今回そのことを踏まえビズキューブレーシング ランサーXは万全の準備をしてここ鈴鹿へ殴り込んできた。ドライバーは、田ヶ原選手、岡本選手、そして2年前に鈴鹿で3位走行中にトラブルで運転できずにずっとリベンジを誓っていた藤原選手が乗り込み、まずは明日の予選突破の為に公式練習を積極的に走行する。タイム的には不本意ではあったがまずまずの結果で終了。明日のサバイバル予選突破に向けてチーム一丸で戦う準備はできました。明日はどんな景色が待っているのか!?

■予選 6月11日
 朝早くから多くの観客で賑わう。チームにも多くの方々が来客。10時半、いよいよサバイバル予選が始まる。Aドライバーの田ヶ原選手がいつもにまして気合が入った状態でコースイン。しっかり無線でST-Xの車両の位置を無線で確認しながらアタックへ入る……。予定が無線のトラブルでアタック中にヘアピンでST-X車両と絡み、クリアラップを取れず不本意のタイムで終わり絶望感が広がる。しかしそれを見てBドライバー岡本選手も気合を入れチームからの期待を背負いコースイン。しかし思うようなタイムを刻むことができず、残念ながらここでは上位3位までに入れず午後からのセカンドチャンス100に明日の望みを賭けて走ることになりました。

 そしていよいよ16時20分、セカンドチャンス100 鈴鹿サバイバルバトルの敗者復活戦がスタート!!我々のクラスは3台で1台しか生き残りはできない。すなわち1位のみ通過という過酷な任務である。スタートは藤原選手。序盤ペースが上がらず厳しい状況でしたが、開始約30分で2番手を走っていた7号車がエンジントラブルでストップ!!そしてコース上にオイルが出たこともありセーフティカーが入る!!ここで迷わずドライバーを藤原選手から岡本選手へ、そして給油を終えコースへ戻す。更にセーフティカーランが長引くことを察知したチームは最長ドライバー時間(66分)をクリアするタイミングでまた岡本選手から田ヶ原選手へ変わり残りを託すことに。

 ライバルチームもそれを見て同じ作戦に!!ここで1位になったビズキューブレーシング ランサーX!!そしてレース再開。後ろとの差は田ヶ原選手は序盤から猛プッシュをしてなんと約30秒差をつけて好走!!そして最後までこの差を守りきり厳しいサバイバルバトルを1位で無事通過することになった!!

 作戦とチーム全員で勝ち取った明日決勝に向けた切符であった。終わったのが18時、このあとメカニックたちは遅くまで明日の4時間レースへの準備を始める。喜んでいる暇もなく。本当にメカニック達の頑張りに感動する場面がレースの魅力の一つでもある。

◆予選総合タイム順位結果
1:CarNO.59 DAMD MOTUL ED WRX STI TIME:4'36.352
2:CarNO.20 RSオガワADVANランサー TIME:4'37.063
3:CarNO.6 新菱オートDIXCELエボX TIME:4'37.526
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4:CarNO.505 ビズキューブレーシング ランサーX TIME:4'43.595 セカンドチャンス100 1位通過
ドライバー:田ヶ原章蔵 TIME:2'20.388
ドライバー:岡本武之 TIME:2'23.207




■決勝 6月12日
 サバイバルバトル決勝日の予報は昼から雨、チェッカーはスーパー耐久初のナイトチェッカー!!そしていよいよ15時20分、4時間レースがスタート!!スタートの時はぎりぎりのドライ路面。大事なスタートを担当した岡本選手が序盤から安定した走りで確実に周回を重ねていく。

 1時間程走った時に大粒の雨が・・そこで予定より少し早めにピットインをして藤原選手へドライバー交代とタイヤをスリックからレインタイヤへ!!その後も4番手と順位は変わらないものの雨のペースは良く、確実に前を追う展開。レース経過2時間弱の時点で藤原選手がピットイン。田ヶ原選手へ、残りを託す形に!!フロントタイヤのみを交換してゴールまで猛プッシュ。しかも、車内フロントガラスが曇って視界が5%程の中、まずはガソリンが無くなるまで1時間15分を走破。再度ピットインをしてドライバー交代をしないで再び田ヶ原選手がゴールを目指す。



 そして残り12分・・ドラマがやってくる。3位走行中の20号車と絡んだ田ヶ原選手から無線が……。20号車がトラブルでは?と、コース上で真っ先に確認していたのである。その後、20号車のリタイヤが確認できたことにより3位へ浮上。前日からのセカンドチャンス100予選での激走が実り、今期初の表彰台を獲得することになった!!岡本選手はASレーシングでは初、藤原選手は2年前のリベンジを果たし満面の笑みが!!

 チーム全員の頑張りと気持ちが一つになり獲得できた本当に素晴らしいレースだった!!多くのファンの方々やスポンサー各位様に感謝を申し上げます。引き続きの応援、ご支援を宜しくお願い申し上げます。次回は少しのインターバルを挟み9月に9時間耐久 富士!!次戦も期待してください!!

1:CarNO.6 新菱オートDIXCELエボX 93LAP
2:CarNO. 59 DAMD MOTUL ED WRX STI 93LAP
3:CarNO.505 ビズキューブレーシング ランサーX 91LAP




■レース後コメント
◆星名功一代表
 前戦のSUGOは正直表彰台を狙っていただけに悔しさだけが残りました。今回の鈴鹿戦は決勝にコマを進められる予選3位までに入ることはタイム的に難しい状況で、敗者復活をかけてのセカンドチャンス100分レース。クラス最後尾からのスタートでしたので、ピットインのタイミングが決勝への唯一の鍵ということでいろんなパターンでシミュレーションをしました。

 その予想が的中してドライバー、メカニックのパーフェクトな判断によって、大逆転でクラストップでチェッカーとなりました。参加型最高峰レースである“スーパー耐久”としての戦う楽しみを思う存分、感じることができました。そして、決勝レースは悪天候な上にフロントウインドウが曇ってほぼ視界を確保できない走行もありましたが、残り 10 分を切ったところでほかのマシントラブルで3位に。

 ガチンコ勝負での表彰台ではありませんでしたが、これも耐久レースです。ドラマチックな1戦でした。そして、これまで505号車に多く乗っている岡本選手に表彰台をプレゼントできたことが1番嬉しかったレースでした。次戦以降は、竹田選手と塚田選手にも表彰台をプレゼントすることが目標になりました。

◆田ヶ原章蔵選手
 予選ではST-Xに絡みクリアできず不本意なタイム。セカンドチャンスでは66分の最大時間ドライブして1位通過の仕事ができて、決勝レースでは最後に仕掛けて自ら無線で3位浮上を演出できて……。でもこれは全てチーム全員で勝ち取った結果でした!!岡本さん、藤原くんと共に表彰台へ行けたことも良かった。後半戦もやったります!!

◆岡本武之選手
 今回僕としては505号車では初の表彰台となりました。予選は気持ちだけが空回りして上手く走れませんでしたが、セカンドチャンスでチームの作戦が当たり、決勝も3位で良い結果となりました。決勝はスタートを担当しましたが、序盤で前と離されてしまいお世辞にもチームに貢献したとは言えない内容でした。後半戦はもっとチームに良い走りをしてまた表彰台を目指したいと思います。

◆藤原能成選手
 2014年の表彰台、漸く取り返しました。忘れもしない3位走行中、自分への交代1周前で車両トラブルでリタイア。あの時は悔し涙でしたが、今回は嬉し涙で戻ってくる事ができました。敗者復活戦、そして決勝とレースは本当にタフでした。鈴鹿は過去3戦のみ、更に雨の鈴鹿は初めてという事もあり、課題も沢山残りました。自分が本当に未熟だと痛感させられました。更に車を降りる少し前から記憶があやふやで、交代した田ヶ原さんに凄く迷惑を掛けてしまいました。猛省です。その未熟な点をチームとメカニック、そしてドライバーに支えて頂きました。

 特に走行中の「他車よりペース速いぞ!」という無線に勇気付けられました。チーム全員で勝ち取った表彰台だと思います。悪天候の中、応援して頂いたファンの方々。そしてご協力頂いたスポンサー様。全ての方々へこの表彰台をお届けできて、嬉しく思います。引き続き応援を宜しくお願い致します。