銃社会ゆえ事件の前線で活躍することも多く、勇気あふれる正義のヒーローとして人々の敬意を集めてやまないアメリカの警察犬たち。ところがこのほど、ジョージア州で暑い車内に長時間置き去りにされた警察犬が無念の死を遂げた。職務怠慢であった警察官に対する非難の声が高まっている。
温度が50度にもなる
車内に放置されて乳幼児が死亡といったニュースが日本でも出てくるこの時期。アメリカでもそれは同じだが、この国ではどうも警察官の失態が続いているもようだ。先日は警察官の父親がまだ乳児というわが子を熱中症にて死なせてしまったことをお伝えしたが、このたびは“K-9”こと警察犬を同様の事例で死なせてしまった警察官の話題。アトランタのメディア『wsbtv.com』が伝えている。
ジョージア州チェロキー郡で気温が華氏90度(32.2℃)以上にもなった10日、警察犬として活躍していたベルジアン・シェパード(マリノア)の“インカ(Inka)”がエンジンを切った車に約3時間にわたり放置され、死亡した。まだ4歳と今後の活躍が期待される中での大きな損失であったという。
チェロキー郡保安官事務所の発表したところによれば、運転していたのは郡警察学校に勤務するダニエル・ピーボディ警部補。午後4時15分ごろにインカを乗せたパトカーで自宅に戻り、車のエンジンを切ると家の中に入ってしまった。彼が後部座席に置き去りになっているインカのことを思い出したのは3時間近くが経過した夜7時ごろ。しかしインカは熱中症によりすでに息絶えていた。ダニエル警部補は自宅にも飼い犬がおり、警部補は妻とともにその世話をしていてインカのことを忘れていたという。
またその日、専用のケージや万が一を知らせるアラームといった装備がある警察犬同乗型のパトカーは警部補の同僚が使用していたとのこと。インカにとっては二重の不運が見舞ったことになる。動物虐待致死事件としての責任を警部補に問うことも可能だが、彼らは「まだ事実の調査が終了していない。警部補もインカの死にひどく取り乱し、落胆して体調さえ崩している」と述べるなど身内に対する甘さを漂わせている。
出典:http://www.wsbtv.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)