F1モナコGPではQ3に進出できず、あらためて低速コーナーに弱いという弱点を露呈したウイリアムズ。チーム関係者によると「足回りのセッティングが問題だったのではなく、単に低速エリアでのダウンフォースが不足していたため」だという。
マシンのダウンフォースに大きく影響するのはフロアだが、その改良には時間がかかる。もっとも効果的なのがリヤウイングで、さらにモンキーシートは付属パーツとして独立して開発できるため、風洞実験で効果が確認できれば、すぐに投入できるアイテムとして最近は多くのF1チームで多用されている。
今シーズンは11チーム中、モナコまでに9チームがモンキーシートを採用。カナダGPではウイリアムズが10チーム目として、モンキーシートを投入した。
空気抵抗を減らしたいモントリオールでは、いくつかのチームがモンキーシートを外した空力パッケージで臨むなか、ウイリアムズはモンキーシートを新採用。ここからもリヤのダウンフォース不足に苦しんでいたことがわかる。
これでモンキーシートを採用していないチームは、レッドブルだけとなった。しかし彼らは、現状しっかりとダウンフォースを得ており、今後も投入してくる可能性は低い。
また、ウイリアムズは他の数チームと同様に、モントリオール専用と言うべきリヤウイングを持ち込んだ。フラップが通常のものよりも小さく、エンドプレートのルーバーに手を加えたものだ。いずれもダウンフォースを軽めにして、ドラッグを減らすための常套手段だ。