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夢を追って「フリーター」を選択した人はわずか1割 「やむを得ず」なった人が4割超す

2016年06月16日 18:41  キャリコネニュース

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今や労働人口の4割に迫る勢いの非正規雇用。派遣社員や非正規社員として働く人もいれば、中にはアルバイト・パートといった働き方をする「フリーター」も多い。

「フリーター」という言葉が登場した時期はバブル経済最中だったこともあり、「新しい働き方」として注目されたこともある。それから20年以上が経過した今、フリーターとして働いている人はなぜその働き方を選んでいるのだろうか。

アルバイト求人情報サービスの「an」が6月15日に「最新フリーター事情」を発表した。それによると、現在フリーターとして働いている人の中で最も多かったのは「フリーターとなった当初に明確な職業展望を持っていなかった『モラトリアム型』」で46.2%だった。

2000年に27.8%だった「夢追求型」は9.9%に大幅減少

未婚かつ学生でなくアルバイト・パートに従事している18歳~44歳の男女のフリーター1500人から回答を得た。日本労働研究機構の調査レポート「フリーターの意識と実態」(2000年)を参考に、

「フリーターとなった当初に明確な職業展望を持っていなかった『モラトリアム型』」
「芸能関係の職業、もしくは職人・フリーランス型の職業につきたい『夢追求型』」
「本人の意欲とは別の、労働市場の悪化や家庭の経済事情、トラブルなどの事情からフリーターを選択した『やむをえず型』」

に分類した。その結果、「モラトリアム型」が最多で46.2%、次いで「やむを得ず型」が41.5%、「夢追求型」が9.9%だった。夢を実現させるために時間の融通の利くアルバイトをやっているという明るいフリーター像で語られる人は1割にも満たないということになる。

一方で、2000年の「フリーターの意識と実態」を見てみると、「モラトリアム型」が39.2%、「やむを得ず型」が33%、「夢追求型」が27.8%だった。調査対象が97人と少なく、年齢も18歳~31歳だったため単純に比べることは出来ないものの、「モラトリアム型」と「やむを得ず型」が増え、「夢追求型」の割合が減っていることが分かる。

ブラック企業問題と就職難が大きく影響か

また、3つのタイプはさらに7つに細分化されるが、その中で特に増えているのが「離職モラトリアム型」と「正規雇用志向型」だ。「離職モラトリアム型」は、

「学校を卒業した後、正社員として就職したものの、『劣悪な労働環境による心身の不調』や『人間関係の悩み』『会社の倒産』などによって不本意ながら離職し、再就職の見通しがはっきりしないままフリーターになったタイプ」

のこと。2000年の調査では9.3%だったが18.7%になっている。「正社員志向型」は、

「正社員を希望して就職活動(新卒・再就職含む)を行ったものの、納得のいく結果が出ずにフリーターを選択したタイプ」

のことで、こちらは13.4%だったものが24.2%と増加している。ブラック企業の問題や就職難がフリーターを選択せざるを得なかった理由に影響しているともいえそうだ。

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