2016年06月16日 17:51 弁護士ドットコム
2010年に宮城県石巻市で男女3人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(24)の上告審判決で、最高裁第1法廷は6月16日、元少年の上告を棄却した。これをうけて、日本弁護士連合会(中本和洋会長)は同日、「犯行時少年に対する死刑を廃止するための抜本的な検討を求める」とする会長声明(http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2016/1606016.html)を発表した。
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当時18歳だった元少年は2010年2月、元交際相手の少女を連れ出そうと少女の実家に押し入った。止めに入った少女の姉と友人を牛刀で刺殺し、姉の知人男性にも重傷を負わせたとされる。1審と2審はいずれも死刑判決。最高裁が元少年の上告を退けて、死刑が確定した。
日弁連の中本会長は声明で「死刑廃止が国際的な潮流となっていることは明らかである」と指摘。「犯罪時20歳未満の少年に対しては死刑を科さないとすることが求められている」と主張した。
さらに「成育した環境の影響を非常に強く受けて人格形成され、十分な判断力を持たない結果として生じる少年の犯罪について、少年に全ての責任を負わせ死刑にすることは、刑事司法の在り方として公正ではない」と訴えている。
(弁護士ドットコムニュース)