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ハイネケン、2チームとの提携を検討。ひとつはレッドブルの可能性が濃厚か

2016年06月16日 16:21  AUTOSPORT web

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カナダGPで設置されたハイネケンの看板
F1と新たに数億円規模のスポンサー契約を結んだハイネケンは、さらに2チームと提携すると言われており、うち1チームはレッドブルになることが確実視されている。 

 大手酒造メーカーであるハイネケンは、先週F1の公式ビールとしてパートナーになることを発表しており、今後4年半で1億5千万ドル(約156億円)のスポンサーをしていくことになっている。スポンサー契約の正式な開始は9月2~4日に開催されるイタリアGPからではあるが、F1最高権威者のバーニー・エクレストンからの「ウェルカムプレゼント」として、カナダGPでもコースの目立つ位置に看板が設置されていた。

 ハイネケンは、ふたつのF1チームとパートナー関係を結ぶとしているが、マシンやドライバーのスーツにロゴが飾られることはないという。チームとの提携について、同社シニア・ディレクターであるジャンルカ・ディ・トンドは以下のように述べている。

「チームと実際的なスポンサー契約を結ぶ予定はない。ただ、チーム側と関係を結ぶためのもので、ファンにチームでの体験をさせたいと考えている。何人かのファンをガレージに招待して、私がメルボルンでしたようにジャッキー(スチュワート)と話をしたり、パドックを歩いたりといったようなことだ。それは驚くべき体験であり、生涯記憶に残るようなものだった。(ジャッキー・スチュワートと)歩いていたら、ニキ・ラウダに遭遇した。3度のチャンピオン経験者ふたりが私のそばにいるなんて、夢のようだった。この素晴らしい経験をファンにも体験してもらいたい」

 アルコールメーカーとしては、ウイリアムズにはマルティニ、マクラーレンにはシャンドンとジョニー・ウォーカー、フォース・インディアにはスミノフとキングフィッシャーが、すでにスポンサーとなっている。このためハイネケンとの提携に最も近いのはレッドブルだと言われており、ディ・トンドは2チーム目を模索している。


「レッドブルと我々は同じ商業市場にいるため近い関係だと言えるし、お互いのことを良くわかっている。マックス・フェルスタッペンの存在も魅力的だ。だが、他のチームとも関係を持つことを考えている。まだ何も決まってはいないが、たしかにレッドブルとは親しくしている」

 ハイネケンはF1の活動にデジタル・マーケティングを活用することを明言しており、頭角を現しつつある若手のフェルスタッペンは、同社の広告塔にふさわしい人材と言える。ハイネケンはウェールズでラグビーチームのキャプテンを務めた元選手のスコット・クインネルや、スペイン人の元サッカー選手であるカルラス・プジョルなど、すでに何人ものブランド・アンバサダーを抱えている。F1からは先日、サー・ジャッキー・スチュワートとデイビッド・クルサードが加わった。

 ハイネケンと提携する2チームは、イタリアGP前に発表になると考えられている。ハイネケンがチームや個人とのスポンサー契約を避けた理由を、ディ・トンドは以下のように語った。

「ハイネケンがブランドとして、何年も前に取り決めたことだ。ブランドとしての価値を見出せるパートナー関係に集中するため、F1ではマシンやドライバーとの関わりを持たないことにした。それ以外の部分で役割を果たしていく。UEFAチャンピオンズリーグや、ラグビーワードルカップを例にあげても、我々は試合そのもののスポンサーをしており、個別にチームとスポンサー契約をかわしているわけではない」