F1でのリザーブ兼開発ドライバーを務めた経験もある28歳の中国人ドライバーのマ・キンファが、今年9月に開催されるWRC世界ラリー選手権の中国ラウンドで、WRCデビューを飾ることが決まった。
エントリーはマッズ・オストベルグの父が運営するアダプタ・ラリーチームからとなる。ドライブする車種に関してはまだ何も決まっていないというが、北京で開催されるこのイベントに向け、オストベルグはMスポーツ、ヒュンダイ、そしてシトロエンとも交渉を行っているという。
WTCC世界ツーリングカー選手権にも参戦経験があるなど、さまざまなマシン経験を持つマ・キンファだが、ラリー競技への参加経験はなく、イベント前に開発プログラムを兼ねたテストの計画があるとオストベルグは語る。
「我々は今、非常に長い時間のためにこれに取り組んできた。彼にはこの競技の経験がまったくないので、ドライビングを筆頭にすべての作業を一緒に確認していく必要がある」
「マッズが使用しているのと同じペースノートを教えるつもりだ。これは単純に、コーナーの曲率とギヤポジションを連動させた内容だ」
「我々はスカンジナビアで、R5のモデルを使っていくつかのテストを行い、その後ヨーロッパでターマックイベントに参戦して経験を積んでもらう。彼はクルマを運転することに関して明らかに才能がある男だし、私は彼がラリーに迅速に適応できると確信しているよ」
マ・キンファは2012-13年シーズンに、HRTとケータハムF1チームから金曜フリープラクティスに5戦出走、さらにWTCCではフル参戦も経験。世界選手権で優勝を記録した初の中国人ドライバーとしても歴史に名を刻んでいる。今季は、フォーミュラEにチームアグリから参戦してもいる。