6月16日、フランスのサルト・サーキットで第84回ル・マン24時間耐久レースの走行がスタートした。初日となる16日はフリープラクティスと予選1回目が行われ、2号車ポルシェ919ハイブリッドが予選1回目の最速となった。
■フリープラクティスはLMP1に波乱多発
現地時間の16時からスタートした4時間のフリープラクティスは、晴天の下セッションがスタートしたが、途中少しずつ雨が舞い始め、一時土砂降りになるという変わりやすいコンディションとなった。
走り出しということもありコースアウトやクラッシュが相次ぐセッションとなったが、最上位カテゴリーのLMP1にアクシデントが相次いだ。4号車CLM P1/01・AERがユノディエールで火災が発生し赤旗が提示されたほか、ルーカス・ディ・グラッシがドライブしていた8号車アウディR18もクラッシュ。また、セッション終盤にステファン・サラザンがドライブしていた6号車トヨタTS050ハイブリッドがインディアナポリス出口で姿勢を乱しクラッシュ。このタイミングで別車両のクラッシュもあったため、赤旗のまま終了となった。
波乱の多いセッションとなったフリープラクティスで最速となったのは、ニール・ジャニがドライブした2号車ポルシェ919ハイブリッド。ブレンドン・ハートレーがドライブした1号車ポルシェが続き、ポルシェ勢がワン・ツー。ディ・グラッシの8号車アウディが3番手、サラザンの6号車トヨタ、セバスチャン・ブエミがドライブした5号車トヨタが5番手につけた。
LMP2クラスは、松田次生も乗り込むKCMGのオレカ05・ニッサンがフリープラクティス最速に。平川亮が乗り込むティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車オレカ05・ニッサンはクラス5番手。中野信治が乗り込むレースパフォーマンスの34号車オレカ03R・ジャッドはクラス20番手となった。LM-GTEプロクラスは、AFコルセの51号車フェラーリ488 GTEがフリープラクティス最速タイムをマークしている。
■予選1回目はポルシェワン・ツー。トヨタが続く
夕暮れ時の現地時間22時にスタートした予選1回目はドライで進行した。ル・マン24時間は16日に行われる予選2回目、予選3回目とこの予選1回目の最速でグリッドが決定することになる。
LMP1勢では、アウディ8号車はフリープラクティスでのクラッシュの修復が間に合わず、セッション開始時にはコースインできず。また、火災に見舞われた4号車CLM P1/01・AERは予選1回目に出走しなかった。
途中、5号車トヨタをドライブするセバスチャン・ブエミがミュルサンヌでストップ。1分ほど停止してしまうが、ブエミはシステムをリセットし、ふたたびコースに復帰することに成功する。
そんな予選1回目では、ジャニがドライブした2号車ポルシェ919ハイブリッドが3分19秒733というタイムをマークし、暫定ポールポジションを獲得。2番手はティモ・ベルンハルトがドライブした1号車ポルシェとなった。
3番手にはサラザンがドライブした6号車トヨタTS050ハイブリッドが続き、アンソニー・デイビッドソンがドライブした5号車トヨタが4番手、トヨタ勢は暫定ながら2列目グリッドにつけている。LMP1-Hのタイム差は僅差で、トヨタにとってはドイツの2ワークスにタイムで置いていかれてしまう2015年のような状況はなさそうだ。
LMP2クラスは、G-ドライブ・レーシングの26号車オレカ05・ニッサンが最速。35号車、36号車とアルピーヌA460・ニッサン勢が2~3番手に続いた。平川の46号車オレカは7番手、松田の乗り込む47号車オレカは9番手となった。中野信治の34号車は19番手で予選1回目を終えている。
5ワークスが争うLM-GTEプロクラスは、今季参戦を開始したフォード・チップ・ガナッシ・レーシングがワン・ツーを占めた。最速となったのは68号車で、69号車が2番手。3番手には51号車フェラーリが続いたが、4~5番手にもフォードが続いている。
LM-GTEアマクラスでは、澤圭太も乗り込むクリアウォーター・レーシングのフェラーリ458が予選1回目の最速に。山岸大が乗り込む50号車シボレー・コルベットC7-Z06は5番手となった。