メルセデスチームの上層部は、カナダGP決勝スタート直後のルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの接触について、残念な結果ではあるが単なるレーシングアクシデントであるとの見解を示した。
ポールシッターのハミルトンがスタートで出遅れ、3番グリッドのセバスチャン・ベッテルがトップに躍り出た。1コーナーでロズベルグはハミルトンにアウトから並びかけ、両者のホイールが接触。ロズベルグはコース外に押し出され、順位を大きく落とした。
最終的にハミルトンは優勝を獲得したが、ロズベルグは5位。ハミルトンはポイントリーダー、ロズベルグとの差を9ポイントまで縮めた。
ハミルトンは、自分はイン側のレコードライン上にいたとして、アンダーステアが出て接触してしまったと説明した。
ロズベルグは、ハミルトンが「強硬な動きをとった」ことでコースオフすることになり、「腹が立った」と話している。
ふたりはスペインでも1コーナーで接触、両者ともリタイアに終わった。しかしメルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、カナダの一件に関してはどちらも悪くはないと語った。
「手厳しい動きだった。ルイスはアンダーステアになったと言った。そうなのだと思う」とウォルフ。
「チームの立場から見ると、フロントロウを独占しながら、ターン1を抜けた時には1位と9位になっているというのは愉快な状況じゃない」
「デジャブのようだ。レースの後には毎回こういう話をしている」
しかしウォルフは、コーナーでイン側にいるドライバーに権利があると述べた。
「カナダのターン1は難しい。ランオフエリアがある。もしウォールなら議論の余地はないが」
「しかしイン側のドライバーがラインを決めることができるのだ」
メルセデスのノンエグゼクティブチェアマン、ニキ・ラウダは、両者の接触は単なるレーシングアクシデントだと述べている。スペインの接触については、ラウダはハミルトンの方が責任が重いという考えを示していた。
「あれは極めて普通のレーシングインシデントだ」とラウダはカナダの接触についてBild紙に対して語った。
「誰も悪くない。ルイスはいい走りをした。調子を取り戻したね。ニコは気の毒だったが」