チームのモータースポーツ・コンサルタントを務めるヘルムート・マルコによると、レッドブルはF1ヨーロッパGPが開催されるバクーの長いストレートでは、パワー不足によって1.2秒をロスすることになると悲観的だ。
今週末に初開催となるアゼルバイジャンはコース全長が今シーズン中2番目に長く、ストレート部分だけでも2.25kmある。レッドブルのパートナーである、ルノーはパワーユニットの開発を順調に進めており、最新のアップグレードでは1周あたり0.5秒の短縮を達成したと言われている。
レッドブルはパワーユニットにも助けられて進化を遂げ、スペインGPで優勝。続くモナコGPでも勝利に値するポテンシャルを見せ、パワーの影響が大きいカナダGPでも競争力の向上を示した。しかし、それでもマルコはヨーロッパGPに向けて悲観的な見方をしており、以下のように述べた。
「非常に長いストレートは、レッドブルにとって利益にはならない。コンピュータでのシミュレーションでは、1周あたり1.2秒ロスすることになっている。素晴らしいマシンがあったとしても、これをコーナーで埋め合わせることは、ほぼ不可能だ」
しかしながらマルコは、全長約6kmに及ぶ市街地コースで、レッドブルが「メルセデスに迫り、フェラーリと同レベル」で走ることを願っている。また、カナダGPでは「タイヤが正しく機能する温度域に上げられなかった」と、ダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンの両者が、ともに気温の低さに苦しめられたことを嘆いた。
■チームオーダーとバーチャル・セーフティカーのタイミング
フェルスタッペンを抜こうとしたタイミングでバーチャル・セーフティカーが発動となったことで、リカルドのレースは「台無し」になったとマルコは振り返っている。リカルドのペースがフェルスタッペンを上回っていたことから、チームはレース序盤にチームオーダーを出しており、フェルスタッペンはチームメイトを阻まないよう指示されていた。そのタイミングではポジションの変更はなかったものの、バーチャル・セーフティカー後にフェルスタッペンが道を譲ったため、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、レース内容に「問題はなかった」としている。
マルコは、4位でレースを終えたフェルスタッペンを「ロズベルグに対してのディフェンスは、まさにレースのハイライトだった。あれ以上の走りは不可能だっただろう」と賞賛。一方のリカルドはタイヤのダメージなどにより、7位に沈んだ。