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「未来のクチュール」を創造する山田知佳が第90回装苑賞を受賞

2016年06月14日 21:42  Fashionsnap.com

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装苑賞を受賞した山田知佳とその作品 Image by: FASHIONSNAP
高田賢三や山本耀司など数々の著名デザイナーを輩出したファッションコンテスト「装苑賞」の第90回公開審査会が6月14日、東京・代々木の文化学園遠藤記念館大ホールで開催された。独自の素材や手仕事を駆使した作品が目立ち、装苑賞には「未来のクチュール」をイメージさせる作品を制作した25歳アパレル販売員の山田知佳が選ばれた。

第90回装苑賞はアパレル販売員の山田知佳の画像を拡大

 日本を代表するファッションコンテスト「装苑賞」は、1956年に創設されたファッション界の新人賞。「第90回装苑賞」の公開審査会では、2次審査を経た候補者16人がミニショー形式で各3体の作品を発表した。装苑賞に輝いた山田知佳は、1990年愛知出身で愛知文化服装専門学校アパレル技術専攻科を卒業し、服作りを続けながらトウキョウベース(旧ステュディオス)で販売員として働いている。受賞したのは「Defomation~身体変工~」をテーマにスカリフィケーションという身体装飾やコルセットなどから着想し手縫いで仕上げた作品。素材にはヌードカラーのパワーネットと形状記憶プラスチックなどを使用しており、軽さと新しいアプローチによるクチュールの仕立てが評価された。授賞式ではトロフィと賞金100万円、パリの学校への留学サポートなどが贈られ、「未来のファッションに対して人の心を豊かにできるようなデザイナーを目指したい」とコメントした。
 佳作1位は天然石の色彩美から影響を受けた作品「MENOU―瑪瑙―」を発表した文化ファッション大学院大学ファッションデザインコースの今村未来、佳作2位は「0」をテーマに壊れたゼロ戦をイメージしてMA-1を解体し再構築した文化服装学院ファッション工科専門課程アパレルデザイン科卒、現在フリーランスの横田匠、イトキン賞は「Puss caterpillars」をテーマに糸でテクスチャーを構成した文化ファッション大学院大学ファッションデザインコースの薄井あい、rooms賞はアール・ブリュットの作品から影響を受けたという文化服装学院ファッション工科専門課程アパレルデザイン科卒、現在アパレル勤務の青山明生がそれぞれ受賞した。
■装苑賞:公式サイト