今月10日、歌手のGACKTが自身のブログで、自分とスタッフが抜き打ちの薬物検査を受けたと報告した。「へえ、こういう検査って本当にあるんだぁ」と、ついミーハー丸出しで読み込んでしまった。
なんでも先日行われたライブ会場で、突然検査を要求されたということだが、そこはGACKTのこと。
「この言葉だけ聞くと、非常に重たく厳しい空気感が現場に漂っているように感じるかも知れないが、むしろ逆だ。全員が口に出して言う。『そんなバカなことをやるファミリーじゃ無い』」
自分と、信頼しているスタッフ全員をファミリーと称し、無事にこの検査を終えたことを報告しているのだ。(文:松本ミゾレ)
薬物を使用する芸能人に怒り「人前に立つ者が何やってんだ!!」
この日のブログには、こういう一文も載せられている。
「ボクたちはオマエ(ファン)を裏切らない。クスリなんてのは、ボクからすれば裏切りの何物にも他ならない」
これは本当に、GACKTの言うとおりではないだろうか。薬物なんかに頼って良い仕事をしたとしても、それは本人の実力の賜物とは言えない。むしろそういうことをしなければ観客を満足させることができないというのは、本当は恥ずかしいことだろう。
GACKTはさらに、こうも綴っている。
「薬物で捕まるアーティストやスポーツ選手がいることが本当に腹立たしい。『人前に立つ者が何やってんだ!!』」
歌手、タレント、スポーツ選手など薬物は残念ながら業界に蔓延してしまっている。こういうものに頼ってしまっている連中に、GACKTは常に憤りを感じていたのだろう。
薬物で得る結果は才能を前借りしただけのもの、長くは続かない
このブログ、アップされると同時に、幾つかのネットメディアが取り上げるなどして話題となっている。そしてブログを読んだネットユーザーは、SNS上に様々な感想を寄せている。
「なんか、ホッとする」
「ま、ガックンが薬に手を出すわけ無いから和やかな検査風景だっただろうな」
「本物のプロってこうだと思う。薬物は裏切り」
と、このように、GACKTを肯定する意見が目立つ形となった。
同時に、抜き打ちの薬物検査はもっと様々な局面で行われるべきという指摘もあった。考えてみれば、薬物の一番恐ろしいところは、知らず知らずのうちに日常に紛れ込んで、親しい友人や知人を変えてしまうところにある。
薬物は常習性を持ち、心身の健康を害する危険なもの。しかし、アーティストたちはしばしば、これを使って五感を鋭敏にした状態で作詞、作曲などをして、通常の感性では到達できない部分に至った作品を作り出す。
僕が子供の頃に大好きだったある男性シンガーは、かつて覚せい剤撲滅キャンペーンのために曲を書き下ろししていた。ところが、中学生になった頃、こともあろうにその男性シンガーは覚せい剤所持の現行犯で逮捕された。
捕まる直前に発表されていた楽曲は、どう考えてもこれまでの楽曲から、レベルが一気に飛び級で飛躍していたので、どうも不思議だなぁと思っていたんだけど、薬物の影響があったんじゃないかと思ってる。
以来、このシンガーは現役復帰して今も活躍しているが、正直全く興味がない。クスリを使って才能の前借りをして素敵な曲を書いたって、それは本人の努力の結果ではないし、ズルをして作っただけのことだ。
GACKTなんて、職業柄こういうケースをイヤと言うほど見てきたのだろう。だからこそ、絶対にファンを裏切れないという覚悟を背負っているに違いない。
でなければ、未だにあんなバッキバキの美しい肉体なんか維持できやしないだろう。強烈な覚悟があるアーティストを応援しているファンは、幸せ者である。
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