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JRC第4戦:昨年王者の新井が今季初優勝。コバライネンは競技参加できず

2016年06月13日 22:01  AUTOSPORT web

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JRC第4戦福島 今季初優勝を飾った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)
全日本ラリー選手権(JRC)は10日~12日、第4戦福島MSCCラリー2016が行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が今季初優勝を飾った。

 シリーズ第4戦の福島MSCCラリーは、今季初のグラベルイベント。全15SSが設定され、総走行距離は463.86km、総SS距離は64.48kmで争われた。

 11日のデイ1は晴天に恵まれ、最高気温が30度近くまで上昇するコンディションで争われたが、大会前に降った大雨の影響で、ところによりウエット路面が残る難しいコンディションとなった。

 オープニングのSS1では、奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)がトップタイムで総合首位に浮上する。

 しかし、続くSS2で奴田原はスピンしてしまいステージ首位から18.2秒差と大きくタイムロス。総合3番手までポジションを落としてしまった。

 代わって首位に浮上したのが新井。SS1~2と連続でステージ2位を獲得すると、SS3~5、7の4SSでステージ首位となり、デイ1で21.1秒の大量リードを築くことに成功した。

 総合2番手はSS6を制した奴田原が続き、総合3番手にはここまでシリーズ3連勝を挙げている勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)と続いた。

 翌12日のデイ2も好天に恵まれる。この日新井がトップタイムを記録したのは7SS中1SSのみだったものの、僅差でステージ上位に食い込む盤石の走りを披露。最終的に19.1秒のギャップをつけ、今季初優勝を飾った。 

 新井は「初日はオーバーヒートの症状が出たり、荒れた路面でマシンにダメージを与えてしまいましたが、2日目はトラブルもなく走り切りました。次戦も、何事もなければ優勝を狙えると思います」と大会を振り返った。

 総合2位は奴田原が獲得、総合3位は勝田となり、連勝記録は3でストップすることとなった。

 JN5クラスは柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)が今季2勝目を挙げたほか、JN4クラスは曽根嵩仁/桝谷知彦(トヨタ86)が、JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、JN1クラスは須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフト)がクラス優勝している。

 なお、今大会からJN5クラスにR3規定のトヨタ86で挑むヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタ86 R3)は、出走規定を満たすことができず、競技は不参加。しかし、フォトセッションには参加したほか、ギャラリーステージでドライブを披露し、会場に集ったファンを沸かせた。

 コバライネンは「今回、まだ未完成ながら走れる状態までクルマを準備してくれたチームに感謝している」と述べると、「競技に出走できずに残念だったけれど、集まった多くの観客にラリーへの想いを伝えることができたし、ファンの熱気の強さを感じた。次回は競技に出走して実戦での走りをファンに見せたいね」と次戦への抱負を語っている。

 JRC第5戦2016 ARKラリー洞爺は7月1日~3日に北海道・洞爺湖町を中心として開催される。