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いよいよル・マン本番。「あとは準備の勝負」車検初日に聞いた日本勢の意気込み

2016年06月13日 19:11  AUTOSPORT web

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6月12日、一週間にわたる「ル・マンウイーク」が、ル・マン市内の「リパブリック広場」における公開車検で幕を開けた。2日間にわたる車検の初日は、LMP1-Hからポルシェとトヨタの2メーカーが早くも登場し、不安定な天候のなか詰めかけた多くのファンを沸かせた。

 車検の始まる14時半頃は曇りで小雨まじりのコンディションだったが、30分も経過してLMP1のポルシェが車検待ちの列につける頃には土砂降りの雨に見舞われた。その後も降ったり止んだりという不安定な空模様のなか、注目の日本勢では47号車KCMGのLMP2を駆る松田次生がまずはリパブリック広場に登場。47号車のオレカ05の印象と抱負を語った。

「まだテストデーで1時間半くらい乗っただけですが、オレカ05はオレカ03に比べてダウンフォースが強い。フィジカル面でも厳しいので、24時間(身体が)もつのか、ちょっと心配です」と次生。昨年のル・マン後に10kgのダイエットに成功し、そのおかげもあってスーパーGTのタイトルを獲得したことは記憶に新しいが、「ル・マンに関していえば、昨年の身体の方がよかったかもしれませんね」と笑う。ただしオレカ05のポテンシャルは高いようで、同じオレカを使用するチーム、特に平川亮の乗り込むティリエby TDSの名を一番のライバルとして挙げていた。

 その後、注目のトヨタの2台が車検場に登場。マシンがトランポから下された直後はこの日一番とも言える嵐のような風雨に見舞われたが、トヨタの車検が始まる頃には太陽も顔を見せた。テストデー後はモナコでトレーニングに励んでいたというトヨタTS050ハイブリッド、6号車の小林可夢偉は「クルマのバランスなど、まだ合わせるべきところはありますけど、今のところは順調」と語る。この先のル・マンは毎日雨絡みの不安定な天候が予想されているが、「まだLMP1でウエットタイヤを履いたことがないので、なんとも言えないです」とのこと。

 一方、5号車の中嶋一貴は「今年はある程度競争力を持って戦えると思うので、いい雰囲気ではないかと思います。たかに“もう一歩"は欲しいですけど、レースまでにまとめられればと思います」と現在のパフォーマンスを分析するとともに、レースの焦点については「自分たちは自分たちの仕事をして、失敗をしないことが大事。パフォーマンス的にどこかが図抜けているっていうことはないと思うので、あとはどこがやるべきことをやれたかっていう勝負になると思います」と展望を語った。

「初めてなので、何がどうなっているのか分からないです。……とりあえず、思ったより暑いですね」。初めてのル・マン24時間参戦となるLMP2オレカ05・ニッサン46号車の平川亮。

この日夕方に車検場に登場。テストデー後はフランス・ルミルモンに向かい、チームメイトとともにトレーニングをしたり、メインスポンサーであるティリエを訪問したりして1週間過ごしていたという。「体調はまぁまぁですけど、まだ“始まった感じ"はしないですね。体調を整えて、壊さないようにしないと」と、初めての大一番に向けた心境を語った。

 リパブリック広場での車検は、翌13日も続く。LMP1-Hからは、残るアウディが登場する予定だ。