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縮まる実力差、ライバルチームがメルセデスの独走に“待った”

2016年06月13日 16:41  AUTOSPORT web

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2016年F1第7戦カナダGP セバスチャン・ベッテル
トップチームの間の差が縮まり、もはやメルセデスの独走ではなくなることで、F1は「正常化」しつつあると、トト・ウォルフは考えているようだ。

 2014年と2015年の2年間でメルセデスは38戦中32勝をマークし、今季も開幕から4連勝を飾った。しかし、続くスペインでは、2台のメルセデスが1周目で戦列を去ったあと、レッドブルがようやく凱歌をあげ、モナコでもピットストップのミスさえなければ、レッドブルが純粋な速さでレースを制していたはずだ。

 カナダではルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得し、メルセデス勢がフロントロウを独占した。だが、フェラーリのセバスチャン・ベッテルはハミルトンに対して0.178秒差まで迫り、4位のダニエル・リカルドとベッテルの差も約0.17秒にすぎなかった。 

 こうした状況を見て、メルセデスのチームボス、ウォルフは「F1は正常化しつつある」と語った。
「過去2年間、私たちは圧倒的な優位を維持するという、かなり幸運な状況にあった。だが、ここへ来て上位の3チームないしは4チームの差は、明らかに縮小傾向にある」

「私たちがここにいるのは、僅差の争いをするためだ。私個人の受け止め方としては、ようやくF1が正常化してきたと感じている」

 ウォルフによると、パワーがタイムに及ぼす影響が大きいモントリオールのサーキットで、ライバルとのギャップが小さくなったのは明らかで、特にフェラーリの1ラップの速さに対しては、メルセデスも油断はできないという。

「昨年のここでのペースの差は、約0.5秒だった。ここではパワーがタイムに大きな影響を及ぼすが、同時にタイヤの温度管理が難しいところもある。土曜日の段階では、タイヤの温度を適切な範囲内に保って、うまく機能させることが何よりも重要だった」

「現在の実力差を正確に反映しているのは、実際の予選タイムよりも理論的な最速タイム(最速セクタータイムを足し合わせたもの)の方かもしれない。メルセデスは1分12秒6、フェラーリは1分12秒9だった。ただ、これはあくまで数字の上での計算であって、あまり大きな意味は持たないと思う。彼ら(フェラーリ)が、わずか0.2秒弱まで迫ってきたというのが現実であり、今後も決して油断はできないだろう」