2016カナダグランプリ 決勝
ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン、2ストッパーのベッテルを抑え、1ストップ戦略で優勝
最近のグランプリになく低い路面温度によって、戦略が成績を左右
ソフトタイヤによるファステストラップは、2015年のスーパーソフトによるファステストラップを1.4秒短縮
2016年6月12日、モントリオール
路面温度20℃という、最近のグランプリでは最も冷涼なコンディションの下、カナダグランプリ決勝のスタートが切られました。このコンディションによって、タイヤのウォームアップ及びマネージメントが、より重要となりました。多彩な1ストップと2ストップ戦略が展開され、ポールポジションからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが、フェラーリのセバスチャン・ベッテルを抑えて優勝しました。ベッテルは、スタート後の第1コーナーでトップに立ち、2ストップ戦略を採りました。
ハミルトンは、24周目にピットストップを行い、ベッテルに続く2位のままでコースに戻りました。ベッテルは、2回目のピットストップ後、トップのハミルトンから7秒差の2位でコースに戻り、ハミルトンよりも13周フレッシュなソフトタイヤを使用して、残り33周での挽回に挑みました。
冷涼なコンディションにもかかわらず、メルセデスのニコ・ロズベルグは、残り10周時点でソフトタイヤを使用してファステストラップを記録しました。このタイムは、スーパーソフトで記録された2015年のファステストラップを1.4秒短縮するものでした。
ウィリアムズのヴァルテッリ・ボッタスは、ハミルトンと同様の戦略で今シーズン初の表彰台を獲得しました。上位10名中、ハミルトンとボッタスを除く残りの8名は、2ストップ戦略を採りました。ウルトラソフトは、他のコンパウンドよりもラップあたり約0.6秒速い性能を示していました。
フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、ソフトタイヤでスタートし、31周のロングスティントを走行後にスーパーソフトへ交換する1ストップ戦略を採りました。ポジションアップを最も印象付けたドライバーは、トロ・ロッソのカルロス・サインツでした。20番グリッドからスタートしたサインツは、ウルトラソフトでフィニッシュする2ストップ戦略を採り、9位でフィニッシュしました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「2ストッパーのベッテルが1ストッパーのハミルトンを最後まで追い上げるという戦略の攻防が展開されました。低い路面温度によってタイヤマネージメントが極めて重要となり、より速い戦略への変更を行うチームも見られました。1ストップが主流だった昨年のカナダグランプリと比較すると、今年は大半のドライバーが2ストップ戦略を採りました。1ストップを機能させる鍵は、できる限り効果的にタイヤをマネージすることでしたが、ハミルトンとボッタスは、見事にこれを実行していました」
コンパウンド毎のラップタイム上位:
ウルトラソフト
1 フェルスタッペン 1分16秒319
2 サインツ 1分16秒578
3 クビアト 1分16秒942
スーパーソフト
1 ベッテル 1分17秒143
2 ライコネン 1分17秒932
3 ペレス 1分18秒427
ソフト
1 ロズベルグ 1分15秒599
2 ハミルトン 1分15秒981
3 ベッテル 1分16秒297
最長スティント:
ソフト 52周(アロンソ)
スーパーソフト 26周(ベッテル)
ウルトラソフト 29周(マグヌッセン)
Truthometer:
我々は、通常のコンディションの下、ウルトラソフトでスタートし、25周目にソフトへ交換する1ストップを最速戦略と予測しました。ハミルトンは、これとほぼ同じ戦略を採り、24周目にピットストップを行いました。