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すべてはロシアのために。WTCCモスクワ戦でラーダがダブルワン・ツーを達成

2016年06月13日 15:11  AUTOSPORT web

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メインレースのチェッカーを受けるニッキー・キャツバーグ
WTCC世界ツーリングカー選手権第6ラウンドは12日、ロシアのモスクワ・レースウェイでオープニングレース/メインレースが行われ、オープニングレースはガブリエレ・タルキーニが、メインレースはニッキー・キャツバーグが優勝を飾り、ラーダが地元ロシアでダブルウィンを達成した。

■ウエットで強さをみせるラーダ勢が猛攻
 長年WTCCに挑戦を続けるロシアの自動車メーカー・ラーダにとって、夢のような週末となった。キャツバーグ、タルキーニ、ヒューゴ・バレンテによるトップ3独占となった予選日に続き、オープニングレースもモスクワのファンが熱狂する展開となった。

 突然の雨によりスタートディレイとなったオープニングレースでは、リバースグリッドのポールポジションからスタートしたティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)がレースをリード。イバン・ミューラー、メディ・ベナーニ、ホセ-マリア・ロペスという3台のシトロエンC-エリーゼWTCCが続き、9番グリッドから素晴らしいスタートを決めたタルキーニが5番手につける。

 予選でもウエット時にラーダ・ベスタWTCCは素晴らしい速さを披露していたが、タルキーニはこのレースでも速さをみせ、ドライセッティングで苦しんだモンテイロをかわし首位に浮上したミューラーに近づいていく。

 タルキーニは5周目、ミューラーをかわしトップに浮上すると、そのまま優勝。WTCC通算21勝目を達成した。2位にはキャツバーグが続き、ラーダがワン・ツーを占めた。3位はミューラーとなった。
■メインレースもラーダが圧倒。キャツバーグが勝利
 続くメインレースでは、ポールポジションスタートのキャツバーグがリードを奪い、2番手スタートのタルキーニが続く展開。しかし、ウエット路面からドライに変わっていくと、少しずつタルキーニがプレッシャーをかけていく。

 ただキャツバーグは最後までリードを守ると、1秒差でトップチェッカー。オープニングレースから順位を入れかえ、ふたたびワン・ツーフィニッシュとなった。3位はノルベルト・ミケリスで、ホンダ・シビックWTCC勢が3~5位までを占めた。

「素晴らしい気分だよ。誰かが週末の前に、ラーダの地元でたくさんのファンやスポンサーがいる前で1位と2位で終えるだろうと言ったとしても、信じてないだろうね」とキャツバーグ。

「僕たちは素晴らしいウエットセットを見つけて、週末をとおしてすごく速かった。でも、メインレースではドライになってきて、難しいコンディションだったんだ。そこからはイタリア人の爺さん(=タルキーニ)がすごいプレッシャーをかけてきたけど、あれは余計だったね(笑)!」

 地元ロシアで完璧な週末となったラーダ勢には、オープニングレース3位のミューラーも「シトロエンにとっては全然良くない週末だったけど、ラーダのみんなにはおめでとうと言いたい」と語れば、メインレース3位のミケリスも「ラーダチームを祝福したい」と脱帽の様子だった。