トップへ

産後うつ体験記「漠然とした恐怖がわが子についてまわる」

2016年06月13日 14:50  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

写真
待望の子どもが生まれ、この先には幸せしかないと思いきや、産後の母親の心身は、周囲が想像できないほどボロボロになっているという。不安や孤独感に駆られ、気づけば自殺を考えるように……。知られざる『産後うつ』の苦しみの深さとは? ウェブ上で産後うつ体験記『ミィの産後うつブログ』を綴っているミィさんは'14年に長男を出産後、重度の産後うつに陥り、うつ病専用病棟に3か月入院した経験を持つ。 「出産で身体に大ダメージを受けたまま母子同室での育児が始まり、悩みや不安が膨らみました。“育児は母親がやらなければ”と自分を追い込みすぎた部分もあった」 産後1か月ごろから眠れない、疲れが取れない、音がざわざわ聞こえるなどの症状が出始める。テレビの内容が理解できず、何をしても楽しくなく、生きているのが苦痛。 「自分の子どもがかわいいと思えず、漠然とした恐怖が、わが子に対してずっとついてまわっていました。2人きりになると汗が吹き出し、ゾクッとして震えるような怖さを抱き、頭痛が増して吐き気や下痢が襲ってくるのです」 産後3か月になると子どもを抱きながら“死にたい”と大騒ぎする始末。病院に行く判断もできず、見かねた父が連れていってくれた。処方された薬が効くまでの2週間は地獄で、自殺の日時を決めて死ぬ方法も調べたという。 入院して心身は回復に向かったものの、2か月後にはうつ状態が躁状態に一気に変わる“躁転”を経験。投薬を変えることで徐々に症状が落ち着き、今年の4月にやっと断薬するまでに回復した。 「今は息子が大好きですし、私になついてくれています。病気になったことを含めて、産んでよかったなと思います」 ミィさんは、訴える。 「産後うつは『甘え』ではなく死に至る『病気』なんだと、もっとみんなに知ってほしい」