クロアチアで開催されたザグレブ国際アニメーション映画祭にて、折笠良監督の「水準原点」がゴールデンザグレブ賞を受賞した。同賞は、短編コンペティション部門の準グランプリにあたるもので、日本人監督の受賞は初めて。
折笠監督は、メイン会場のシネマヨーロッパのロビーで行われた5人のアニメータの共作イベント、「ペンタゴン」にも参加するなど、本映画祭でも注目の存在だった。
ザグレブ国際アニメーション映画祭は、世界4大アニメーション映画祭の一つとして、広く知られる映画祭での準グランプリ受賞で、折笠監督はまた新しいキャリアを積み上げた。受賞作品「水準原点」は、留学中のカナダで完成させた作品で、石原吉郎の同題の詩がクレイの波のアニメーションで表現された作品。
クロージングセレモニは、ほぼ満席の会場のなか、大きな興奮に包まれながら、子供向け作品部門、学生部門、長編部門、短編部門の表彰が行われた。クロージングセレモーに終了後も、会場前は多くの人でうめつくされ、興奮さやらぬままザグレブの夜はふけていった。
なお、「水準原点」は、6月13日からフランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭の短編コンペティション部門でも上映予定で、アヌシーでの受賞も期待される。
かっこ
[星野一軌]
【受賞作】
■ 短編部門グランプリ
『Endgame』 Phil Mulloy
■ ゴールデンザグレブ賞
『水準原点』 折笠良
■ 長編部門グランプリ
『The Magic Mountain』Anca Damian
■ 学生部門グランプリ
『What They Believe』 Shoko Hari
■ 子ども作品部門グランプリ
『Welcome to My Life』Elizabeth Ito