F1第7戦カナダGP予選、トップ10に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=1位
最終ラップで本当の戦いをすることなくポールを獲得するというのは、必ずしも望ましい形ではないけど、どんな形であれ、ポールを取れたのは嬉しいよ!
もっとタイムを見つけられる余地はあったけれど、最初のランで十分な走りができたことに満足している。
このサーキットは僕と相性がいいんだ。ブレーキングがすべて。僕は子どものころから誰よりもレイトブレーキングをしていたから、そこが僕のスタイルに合っているのかもしれない。特にセクター1が強いしね。
走っていて最高のコースだ。F1のカートコースといった感じで、高速で縁石を飛び越えて走る。それに僕にとってはF1初優勝の地だから、ここに来ると特別な気持ちになる。ファンも素晴らしいしね。
レースは接戦になるだろう。昨日の状態に自分を戻すため、今夜研究する必要がある。今日は昨日ほど走っている時に強さを感じなかった。昨日はすごくうまくいっていたんだけど、今日セットアップを変えたら、いい感触を少し失ってしまった。
だから自分が思うとおりにマシンを動かせていたわけじゃないんだ。そうなると限界までプッシュすることはできない。
フェラーリはロングランで強そうだから、用心しないとね。
今日はあまりうまくいったとはいえない。今日のポールラップはキャリアの中でも下の方のレベルだ。それでもポールを取れたことには変わりはないから満足しているけどね。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 予選=2位
ほんのわずかの差でポールは逃したけれど、フロントロウからスタートできるのだからいい位置を確保できたと言える。
今日ルイス(・ハミルトン)は最初のフライングラップで僕より少しだけ速かった。それで2回目のランでさらにプッシュしてギャップを縮めようとしたが、失敗して1コーナーでロックアップしてしまった。2周目を走る時間はなかったから、そこでチャンスが消えた。
それでもレース中にルイスをオーバーテイクするチャンスはある。最近スタートはうまく決まっているから、期待できる。タイヤ戦略で違うことを試してみる価値もあるね。
いずれにしても盛り上がるはずだよ。予報によると明日は興味深い天気になりそうだし、わくわくしている。カナダは特別なグランプリだから、決勝を走るのが待ちきれない思いだ。
(ターン1のロックアップについてFIA記者会見で聞かれ)見られてなければいいと思っていたのに! でもテレビに映っちゃったんだよね。Q3の最初のラップはうまくいった。でもルイスに勝てるほどじゃなかった。今は、どこでポールタイムに届かなかったのかを考えている。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=3位
FP3の後、ポールポジションのことを考えていた。可能だと思ったんだ。今日は一貫してマシンの感触が素晴らしかった。昨夜の間に一歩前進することができた。
予選最後のラップにはすごく満足していた。かなり近づけることは分かっていた。でも残念ながら十分じゃなかったね。完璧ではなかったということだ。
ターン10の立ち上がりで少しロスしたと思う。パワーをかけるのが少し早すぎたかもしれない。それがトラクションに影響し、ストレートへの勢いが損なわれたんだろう。どれぐらいかは分からない。後で調べてみるけど、0.5秒ぐらいかな。だからそれがなければもっといい結果になっていた。
チーム全員が今日はすごい結果が出せると思っていたんだ。実現できなかったけど、惜しかったから、明日に期待する。
何のトラブルもない。この2戦、トラブルらしきものは一切出ていない。対策に集中してきたからね。ファクトリーのスタッフたちはいい仕事をしてくれた。僕らの走りを全力でサポートしてくれているんだ。今日はマシンの真のパフォーマンスを見せることができたと思う。
ここでは何が起こるか分からない。いろいろなことが起こり得るサーキットだし、予報によると天気の面でも難しくなりそうだ。どうなるだろうね。
ここのファンは素晴らしくて、アウトラップには手を振って、F1を楽しんでいる。明日は楽しみつつ、いい仕事をしたい。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=4位
大満足だよ。今週末は堅実に進められている。うまく向上していき、予選でさらにいいリズムを見つけた。一番重要なセッションで、すべてうまくまとめることができたから、この4位にはとても満足している。
このサーキットでポールからわずかコンマ数秒差というのは上出来だ。
最後のラップの最終シケインは本当にラッキーだった。かなり強くウォールに当たってしまったのに、ついてることにラインを越えることができて、さほどタイムをロスせずに済んだ。
ここではスタートがすごく重要だけど、オーバーテイクも可能だ。今の僕らは直線スピードもかなりいいから、オーバーテイクすることができるんだ。
雨が降らないにしても、気温が下がるだろう。そういうコンディションが誰かの有利に働くことになるかもしれない。5~6台の戦いになれば楽しいだろうな。正しいタイミングで正しいタイヤを履くことが重要になると思う。賢く、同時に速く走る必要がある。リスクを冒す価値はある。
(ウォールにヒットしたことについてF1iに対して語り)かなりでっかい“キス”だったと思う。当たった瞬間、カルロス(・サインツ)の事故が頭に浮かんだ。「ラインを越えるまではホイールがついていますように。その後、外れたければ外れていいから。頼む……」と思った。
ラインを越える時、クルマは少しぐらついていた。(安全上)必要ならFIAからパーツの交換が許されるはずだよ。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=5位
前戦よりかなりいい予選だったよ。トップ5というのはほぼ望んでいた位置だ。
もう少しメルセデスに近づけるかと思ったけど、これが現実だ。彼らは予選でパワーを上げてくるし、かなり強力だ。明日もう少し近づけることを願うよ。
Q3最後のランはあまりうまくいかなかった。普通はよくなるはずなのに、そうはならなかった。悪いタイムではなかったけどね。
肝心のポイントが与えられるのはレースだし、僕らのレースペースはよさそうだ。天気がどうなるかも分からない。
カナダはバリアに近いところを走るけど、モナコと違って修正する時間はある。今日の予選では僕には劇的な瞬間はなかったよ。
昨日とはコンディションが変わって、ドライビングスタイルを変えなければならず、ロックアップしたりワイドになったりしやすい状況だった。
明日メルセデスに勝つのは難しいだろうし、フェラーリも速そうだ。決勝で雨が降れば助けになるんだけどね。かなり難しい戦いになるだろう。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=6位
昨日の夜からいい仕事をしてマシンの挙動を改善することができた。それでも思いどおりにマシンを動かすのが簡単ではなかった。
天候の関係でめまぐるしい予選だった。走りにはあまり満足していない。いくつか問題があり、ターン10で常に、フロントを曲げるのに苦労した。そのために1周をうまくまとめることが簡単ではなかった。
ここまであまり順調とはいえないし、6位ということはやるべき仕事がまだあるということだ。でも明日の決勝ではマシンの状態はよくなると確信している。
予選の間、常にターン10で苦労し、フロントがロックした。それでタイムをロスした。ストレートの手前がうまくいかないと、ラップタイムに大きく響く。
昨日に比べると大きく改善したけれど、それでも小さな問題がいくつかあった。
(新しいターボの効果を感じるかと聞かれ)それは判断しづらいね。テストをしている時には小さな違いを取り上げるのは難しい。違いを感じると言えるのは、明らかに違う時だけだ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 予選=7位
今日はいい仕事ができたと思う。雲に覆われた難しいコンディションになり、タイヤをうまく機能させるのが楽ではなかった。
僕が抱えた一番の問題はフロントタイヤを適切な温度まで温めてグリップを得るのが難しかったことだ。それを別にすればマシンのハンドリングはよかった。
今日はかなりタイムが接近していた。過去2戦よりは間違いなく改善していたと思う。でも重要なのは明日だ。天候に左右されるかもしれない。明日はすべてのチャンスを最大限に生かさなければならない。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 予選=8位
今日の予選の戦いは激しかったね。すごく小さなタイム差ですべてのチームと戦っているような状況だった。
今日のマシンの状態を考えると、僕自身はすごくいい仕事をしたと思う。自分のラップに満足している。バルテリと同じようなマシンに乗れていたら、もっといい仕事ができたはずだ(注:金曜にクラッシュを喫したが、パーツが不足)。
昨日の事故のことを考えると、全体的に自分のラップにも予選結果にも満足している。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 予選=9位
今日のパフォーマンスには満足している。いつだってもっと上を望んでいるけれど、9番手はチャンスを最大限に生かして得た確固とした結果だ。ここから明日はポイントをつかめるはずだ。
ライバルたちとの差はとても小さくて、コンマ数秒の遅れがグリッド順位を4、5下げることになるので、ミスのないアタックを走るのが重要だった。コンディションは割りと安定していて、Q1の途中に降った雨さえもグリップレベルにはそれほど影響しなかった。
明日も雨になったら、絶対に面白くなるだろうね。特に大雨が降ってきたら、ここのようなスムーズな路面ではアクアプレーニングが問題になる。
ドライのままだったら、トップ10の他のメンバーと同じようにウルトラソフトでスタートしなければならない。前に出るためには、良い戦略を立てる必要がある。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 予選=10位
今日の結果は嬉しい驚きだ。喜んで受け取るよ。
予選には満足している。今日のように難しいコンディションではトリッキーになり得るサーキットで、明日僕らはさらに苦労することになる。でも予報ではウエットになる可能性があると言われているし、雨が降ればチャンスになるかもしれない。
この12カ月、皆でマシンの改善に取り組み、素晴らしい仕事をしてきた。とても満足している。そして今、僕らは自分たちが思っていた以上にいい状態なのかもしれない。
チームの全員にお礼を言いたい。Q2ではフェラーリからわずか0.4秒差だった。マクラーレンとホンダのファクトリーで働くスタッフ全員にとって信念とモチベーションを高める事実だ。
攻撃する準備はできている。世界タイトルを争っているわけではないから、失うものはない。明日は全力で攻めていく。絶対だ。
このサーキットでフォース・インディアに勝ってQ3に進み、Q2ではフェラーリから0.4秒差だったというのは、嬉しい驚きだ。
ここは長いストレートがあるコースだから、決勝はかなり苦労するだろう。直線スピードが足りないし、燃料をかなりセーブする必要があるからね。
(Formula1.comのインタビューに答え)週末を通して難しい決断に迫られてきた。直線スピードとコーナースピードのバランスについて、リヤウイングで正しいダウンフォースレベルを見つけることに取り組んできた。僕らはストレートではなくコーナーで少し速い設定を選んだ。その判断が明日報われて、ポイントを稼げることを期待している。
(皆を驚かせるような結果を出す可能性があるかと聞かれ)心からそう願っている。今日の仕事はしっかりやり遂げた。かなりいい形でね。明日どういう運命が待ち受けているか、見ていくよ。
(カナダのサーキットでは経験がものをいうと思うかと聞かれ)もちろん、ここでは経験が重要だ。自分のマシンとウォールとの間にちょうどいいギャップを保つという意味でね。
長年ここでレースをしてきたから、若いドライバーたちが知らないようなトリックを知っていると思う。嬉しい驚きへの備えはできているよ!