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Awesome City Club PORINから目が離せない! 可愛らしい彼女が放つ“強い眼光”

2016年06月12日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Awesome City Club・PORIN(C)松村早希子

<Awesome City Club・PORIN(Vocal/Synthesizer)>


 Awesome City Clubでボーカル&シンセサイザーを務めるPORINさん。MVや写真では鋭い目とバービー人形みたいなスタイルの良さが印象的で、都会的でクールな女性というイメージを抱いていましたが、最近始められた新しい試みであるソロのライブで


「子どもの頃の憧れを詰め込んだ曲、女の子のための曲です」


 と語ってから、ギター弾き語りでアコースティックバージョンの「4月のマーチ」を歌われた瞬間、心がヒリヒリするほどエモーショナルなその歌声に、それまで勝手に抱いていた「クールなお人形さん」のイメージが塗り替えられました。


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 同じくそのライブで披露された「Vampire」という曲のアコースティックバージョンは、私が個人的に吸血鬼という存在が大好きなので、「あ~こんなカワイイ吸血鬼がいたら最高!」と、妄想しながら見ていました(後から歌詞をちゃんと読むと、この歌は男性の側が吸血鬼である設定だったことがわかりましたが)。暗いステージの上で月のようなスポットライトに照らされるPORINさんの、透き通るくらいに白い肌と一度見たら忘れられない強い眼の光に、普通の人間には想像もつかないような長い時を美しい姿のまま生きるけれど、太陽の光に当たると一瞬で消えてしまう儚い存在でもある吸血鬼の姿が重なりました。


 「4月のマーチ」のMVでPORINさんが着せ替え人形のようにくるくると色々な格好に変わってゆく場面は、お洋服・小物・ヘアスタイルや、インテリアまでも含む全てに60年代フランス映画のようなレトロ趣味と2016年の東京の感覚がミックスされ、現実にはあり得ない夢のような可愛さになっており、PORINさんが言っていた『女の子の憧れ』そのものです。


 彼女は、美人で抜群のスタイルな上に作詞の才能もあり、参加するバンドは上り調子の売れっ子とどう見ても普通の人間より天から二物も三物も与えられている女性なのに、現状に満足した余裕が一切見えず、何かに飢えているような貪欲さが眼差しから感じられます。


 小柄で笑顔が可愛らしくて小兎のようなキュートさもありながら、音楽の話をしている時と歌っている最中のある瞬間には、出会い頭に人間を威嚇してくる野良猫のような鋭い目つきになったりと、一瞬たりとも目が離せないPORINさん。その表情の変化は、動画や写真だけではわからない、ライブという本人の魅力が剥き出しになる場でこそ感じ取れる美しさでした。


 こんな美しい吸血鬼になら、噛みつかれてもいい!と思う人間は私だけではない筈です。(松村早希子)