マノーのドライバー候補として、アレクサンダー・ロッシの名前が急浮上している。
今年マノーからF1デビューを果たしたリオ・ハリアントは、スポンサーの提供資金不足を理由に最終戦までの参戦を危ぶむ報道が、繰り返し流れてきた。しかし実際には、ハリアントを全面支援するインドネシアの国営石油企業プルタミナは、いまもスポンサー継続に積極的であり、資金不足の報道は政治的な批判をかわすためではないかという話は、以前に伝えたとおりである。
ただし、そのとき話を聞いたハリアントに近い筋の人物は「他に莫大な持参金を持ってくるドライバーが出現しない限り、少なくとも今季いっぱいハリアントのシートは安泰だ」と語っていた。その、まさかの存在がロッシなのである。
昨年マノー・マルシャに所属していたロッシは、今季も契約継続を望んでいたが、資金不足からシート争いに敗れている。大口スポンサーのいない状況は大きくは変わっていない。しかしアメリカに戻り、インディカーに参戦したロッシは、先月のインディ500で史上ふたりめとなるルーキーでの優勝を遂げてしまう。これで一躍母国のヒーローとなったロッシに対し、今度はマノーの態度が豹変した。インディ500勝者を自チームに迎えるメリットは大きい。ロッシが乗るのなら支援したいという企業の引き合いも、すでに来ているという。
このままではハリアントは、早ければ夏休み明けのベルギーGPからロッシと交替させられるという観測が、がぜん有力となってきた。