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「政界ゲス不倫」また「裏切り」があった場合の代償は? 金子氏が離婚せず再構築表明

2016年06月11日 09:42  弁護士ドットコム

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育休宣言で注目されたわずか数か月後に、自身の不倫問題で議員辞職した宮崎謙介・前衆院議員。その妻である自民党の金子恵美衆院議員が5月29日、自身のフェイスブックを更新し、宮崎氏と離婚しないことを報告した。


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金子氏は4月5日には約2カ月の産休を終えて国会に復帰。離婚については明言を避けていたが、この日、「子供の将来を考えた時に、二人で子供を守っていくことが最善の道だと考えるに至りました」と、明言した。



離婚の危機を乗り越えて結婚生活を続けることを「夫婦再構築」と言うが、もしも再構築後に、「やっぱり許せない」と思ったときに、過去の不倫に対して慰謝料をもらうことはできるのだろうか。また「裏切り」が起きた場合にどうなるのか。「再構築後」の注意点について、森元みのり弁護士に聞いた。



●「過去の不倫」でも慰謝料請求は可能


「結論からいえば、請求することは可能です。一度は再構築を決めても、反省や関係修復の努力をしようとする気持ちが薄れてしまう場合は、残念ながらあるかもしれません。また、不貞をされた側が、気持ちが揺らぐのもやむを得ない面があるでしょう」



森元弁護士は、再構築の難しさを指摘する。



「離婚慰謝料は『離婚の原因となった行為(この場合、不貞)』に対してではなく、『結果として離婚に至ったこと自体』に対しても、請求することもできます。



ですから、再構築後であっても、過去の不倫に対して慰謝料を請求することもできます。ただ、『いったんは許した』という事情が、慰謝料を減額する要素として考慮されることは覚悟しなければなりません。



また、不貞から長期間が経過している場合や、不貞をされた側の対応にも問題がある場合には、過去の不貞は離婚に至る原因ではないとして慰謝料が認められなくなる場合もあります」



再構築後に新たに不倫が発覚した場合、過去の不倫と抱き合わせで慰謝料を請求することはできるのだろうか。



「過去の不倫と新たな不倫を合わせて慰謝料を請求することも可能です。前述したように、離婚慰謝料は、個々の行為単体でなく、複数の行為が重なって離婚に至ったことに対して請求できるからです。不貞を繰り返した結果として離婚に至る場合、初回の不貞で離婚する場合と比べて高額の慰謝料が認められやすいといえます」


再構築後も、過去を水に流せるわけではないようだ。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
森元 みのり(もりもと・みのり)弁護士
東京大学法学部卒業。2006年、弁護士登録、森法律事務所入所。
著書・監修書に、『簡易算定表だけでは解決できない養育費・婚姻費用算定事例集』(新日本法規)『一番よくわかる離婚の準備・手続き・生活設計』(西東社)他。

事務所名:森法律事務所
事務所URL:http://www.mori-law-office.com/