FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦するTOYOTA GAZOO Racingは、18日~19日に行われる第84回ル・マン24時間耐久レースへ2台のTS050ハイブリッドで挑戦。悲願の総合優勝を目指す。
1985年に初挑戦して以来、今年で18度目のル・マンへ挑むトヨタ。これまで4回の2位を含む、通算5度の表彰台フィニッシュを飾っているが、総合優勝は果たせていない。
チームは昨年、2台のTS040ハイブリッドでル・マンへ参戦するも、苦戦を強いられ総合5位、8位に終わった。今季はエンジンを昨年までの3.7リッターV8自然吸気から2.4リッターV型6気筒直噴ツインターボに変更。ハイブリッドシステムのエネルギー放出量も8MJに増量したほか、バッテリーもハイパワー型のリチウムイオンを採用するなど、大幅な改良を加えた。
2台のTS050 ハイブリッドのうち、5号車は2014年にル・マンでポールポジションを獲得した中嶋一貴に加え、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミという布陣。6号車はステファン・サラザンとマイク・コンウェイ、そして小林可夢偉というラインアップとなっている。
18日の決勝レーススタートに先駆けて行われたテストデーで、チームは2台合計で179周、2440kmを走破して、マシンの信頼性の高さを発揮。また、昨年より2.124秒も速いベストタイムを記録する好走をみせた。
チームを率いる佐藤俊男代表は「ル・マンは我々にとって1年のハイライトであり、シーズン前からこのレースに焦点をあてて全力で準備を続けてきました」と意気込みを語る。
「前戦、スパ6時間レースでは高いポテンシャルを確認することができたので、ル・マンに向けて特別に開発してきたTS050ハイブリッドが、今回、どのようなパフォーマンスを発揮してくれるか、とても楽しみにしています」
「しかし、ル・マンは車両の性能だけでなく、ドライバーを含めたチーム全員の総合力が求められるレースです。困難な状況においてもミスなくベストなパフォーマンスを引き出すことが重要であり、それが結果に繋がります」
「長い戦いの後に来るゴールを見据え、つねに的確な判断と最大限の集中力をもって24時間を戦い抜きます」
また、5号車をドライブする一貴は「コースもとても楽しめるもので、ドライバーにとっては真のチャレンジ。最高速に達する長いユーノディエール・ストレートや、高速コーナーは運転していて本当に楽しいですね。準備は整っているので、レースウイークを迎えるのがとても楽しみです」とコメント。
6号車の可夢偉も「ル・マン24時間レースは世界有数のレースであり、そこで戦えることを誇りに思う。このレースで、日本人ドライバーとして、日本のチームで勝つことができれば最高だと思います。特に、僕にとってはトヨタから戦う初のル・マンです。ライバルとは僅差なので、勝利を目指して挑戦できる」と総合優勝へ向けて気合十分だ。
チームはこの後、現地15日(水)からスタートする公式練習や合計3回の公式予選、伝統のドライバーズパレードなどを経て、24時間の決勝レースへ臨むこととなる。