プレジデントオンラインに6月10日掲載された「マツコ・デラックス力説『女子社員は、男子より優秀』に人事部が『反論』」という記事がネット上で物議を醸している。
筆者はジャーナリストの溝上憲史氏。記事によると、以前、マツコ・デラックスさんが、「テレビ業界を含め女子社員のほうが根性があるし、ねばり強い。一方、男は辛いことがあるとどんどん辞める」と発言したという。
女性はセクハラで辞める一方で「男性は辛抱強く対応し、うまく商談をまとめる」
このマツコさんの「女子社員優秀説」に対し、溝上氏は「だが、本当にそうだろうか」と反論。製薬会社の人事の発言を紹介する。製薬業界ではMR職として女性が働いているが、売り込み先の医師の横柄な態度に困惑し、辞めてしまう女性が多いという。
「昼夜関係なく医師のところに駆けつけることもあれば、セクハラまがいの行為を受けることもある。我慢の限界に達し、辞める女性も少なくない。その点、男性は辛抱強く対応し、最後はおだててうまく商談をまとめる」
他にも記事では、旅行代理店などで「泥臭い営業に根を上げる女子社員」のエピソードを紹介。溝上氏は、
「女性は入社時のポテンシャルがいかに高くても、その後も会社への貢献度が必ずしも高いわけではない。仕事の内容によっては優秀=アウトプット能力では男性社員に劣る場合もある」
と分析する。また、「女性の割によくやっている」という見方は問題だとするが、「『女性社員優秀説』は男性優位の差別意識を前提とした上から目線の言葉なのかもしれないという気がする」と推測している。
「優秀な人材をハラスメントでつぶしてますって告白でしかない」
この記事に対し、ツイッターやはてなブックマークで批判が相次いでいる。
「横柄な態度セクハラまがいの行為を我慢して仕事取ってくるのが辛抱強いって世界なのか…」
「これ別に男子が優秀とかそんな話じゃなくて女子に降りかかるセクハラの嵐とビジネスが業務外の飲みで決まる悪習晒してるだけじゃんこれ……。」
記事は「人事部が『反論』」としているが、反論というよりも「これ優秀な人材をハラスメントでつぶしてますって告白でしかない」という指摘もあった。単純に「セクハラして残業させたら倒れたから女はダメ」といっているに過ぎない、というのだ。
「男の方がブラック耐性が強いことを優秀というのなら、それは人材採用の時点で評価基準が違うだろう」
また、「誰も得しないから、男子/女子理論やめたらいいのに」「もう2016年だよ、こういう不毛な争いはやめよう」という指摘も。「出産周りを除いて男女の勤務形態に全く差がない会社」で働いているという人は、
「『女性の方が優秀、いや男の方が……』なんて議論自体聞いたことない。聞こえるのは『あいつがスゴイ』だけ」
と投稿していた。男性だ女性だと性別で比較するのではなく、個人の能力に目を向けて人材を活用することが大切ではないだろうか。
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