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舛添知事、湯河原の別荘売却のどこが身を切っているのですか? 記者との一問一答

2016年06月10日 17:12  弁護士ドットコム

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政治資金の私的流用などの疑惑をめぐり、東京都の舛添要一知事は6月10日、定例記者会見で、都議会からの追及について「説明責任を果たしている」という認識をくりかえし強調した。一方で、記者から「別荘売却のどこが身を切っているのか?」と質問されたが、正面から答えることはなかった。


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一連の疑惑をめぐっては、舛添知事は「けじめ」として、不適切と指摘された支出の一部を返金するとともに、公用車の使用方法で問題にあがった神奈川県湯河原町の別荘を売却する考えを示していた。



定例会見では、産経新聞の記者から「別荘を売却することは身を切ることなのか?」「不動産を現金化するだけではないか?」という質問があがった。舛添知事はこの質問についてどう答えたのか。該当部分を書き起こしで紹介する。



●舛添知事「批判は胸に刻みたい」


産経新聞記者(以下、産経):知事のけじめの付け方についてうかがいたい。「身を切る決断」の一つとして、湯河原の別荘の売却をあげているが、どう身を切っているのか、私にはわからないが、知事はどう考えているのか?



舛添要一知事(以下、舛添):やっぱり頻繁に湯河原に公用車で行っていたことが批判を受けたわけです。そうすると、そういうところに行かないという決断も含めて、湯河原の施設を売却するということです。もうなくなるわけですから、行かないということになりますから、そういうこともすべてを含めて一つの身の切り方だと考えたわけです。



産経:行かないということが、身を切ることなのか?



舛添:身を切るというよりも、足繁くいったこと、危機管理上非常に問題あったということをしっかりと反省しないといけません。そういうことも含めて。売却すれば、当然行きませんし、そのためにということではなく、危機管理上の批判も受けましたし、その一環としてやるということです。



産経:当初は、湯河原が一番落ち着く事務所だと言っていた。その仕事場を手放すということはブレたというか、これまでの説明とどう考え方が変わってしまったのか?



舛添:おっしゃることはよくわかるが、ただ、これだけの批判を浴びたわけですから、熟慮して、やはり手放したほうがいいだろうという決断をしたということです。



産経:一般的に「身を切る」というと、たとえば私財を手放すとか、身の処し方を考えるということを意味すると思うが、今回、湯河原の別荘を売却については、不動産を現金化するだけの話かと思う。現金をどこかに寄付する考えはあるか?



舛添:まだ売却もされていませんし、今からの話なので、そういうご意見もあると念頭に入れて、検討していきたいと思います。



産経:事実上の家族旅行代とか私的流用だといわれたものを慈善団体へ寄付ということだが、政治資金が慈善団体にいくというだけだし、政治資金で買った美術品を美術館に寄付するだけで、何ひとつ知事の腹が傷んでいないとか、身を切っているとは感じられないが・・・。



舛添:そういう批判は胸に刻みたいと思いますし、そういう意味で、私は給料カットを申しあげた次第です。


(弁護士ドットコムニュース)