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GP topic:ホンダは2トークンでターボを改良、新燃料で1%のパワーアップか

2016年06月10日 14:21  AUTOSPORT web

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ホンダが今シーズン初めてトークンを使用した、アップデート版のパワーユニットをカナダGPに投入することが明らかになった。関係者によれば、トークンが使用されたのはターボチャージャーで、その数は2トークンだという。

 昨年ホンダは熱回生に悩まされた。ターボによる回生はブレーキによる回生と違い、走行中でもデプロイすることが可能なので、予選よりもレースで有効である。ホンダは、この部分が不十分だったためレース中にデプロイが切れ、パワー不足が生じてライバルたちにオーバーテイクを許していたのである。

 そこで、今シーズンのパワーユニットを設計するにあたり、ホンダはターボを大幅に見直し、MGU-Hを機能させてきた。だが、限られた時間で製作しなければならなかったため、ウインターテストには開発途上のターボを投入するしかなかった。

 ウインターテストに新しいパワーユニットを投入した直後から、ホンダはターボの改良に取り組み始めた。アロンソによれば、それは「純粋な馬力向上というよりもパワーユニットの回生能力を向上させたもの」。つまり、予選での一発の効果よりも「レース中のバッテリーの管理に役立つので、これまでよりもストレートで長めにデプロイできるようになる」という。



 本来はスペインGPで投入する予定だったが、信頼面での確認に予想以上に時間を要したため、カナダGPでの投入となった。さらに今回、ホンダと開発に取り組んでいるエクソン・モービルも新しい燃料を投入してきた。エクソン・モービル側の発表によれば、新しい燃料によって約1%パワーアップされるという。エクソン・モービルは昨年も2度、燃料をアップデート。今シーズンは、これが初の改良版投入となる。

 今回ホンダは2トークンを使用したので、今年これまで使用したトークンの合計は20となり、残りは12トークンとなる。今後ホンダはトークンを、どこで、どれくらい使用するのだろうか。7月にはシルバーストンでのイギリスGPが控えており、9月にはモンツァでのイタリアGPもある。しかしトークンを使用した改良版が投入されるのは、もう少しあとになる見込みだ。

 ただし、それは来年のパワーユニット開発にシフトするため、今年の開発をあきらめたということではない。ホンダは今シーズン中に残る12トークンをすべて使用するつもりでいる。それが、いつになるのか現時点ではわからない。だが、残りのトークンを使用して開発される場所が、どうやら燃焼室であることは間違いなさそうだ。