レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドは、モナコGPでチームのミスによって勝利を逃した後、頭を冷やすのに2、3日かかったと述べた。その後、戦略的な面を含め、すべての疑問点をチームにぶつけ、説明を得られたことで、気持ちを切り替えることができたという。
モナコGPでリカルドが2度目のタイヤ交換に入った時、トップの位置でコースに復帰するだけの十分な時間があったが、チームが交換するタイヤのコンパウンドを直前に変更、準備が間に合わなかったことで、リカルドはピットで足止めされた。その結果、ルイス・ハミルトンのすぐ後ろでコースに戻ることになり、勝利を失うことになった。
「2、3日かけて頭を冷やした」とカナダでFIA木曜記者会見に出席したリカルドは語った。
「レース直後には、問題解決に取り組むような気分じゃなかった。皆そうだったと思う。僕は数日おいて冷静になってから、何が起きたのかについて考えた。チームの何人かと話をし、彼らがあの時起きたこと、どういう状況だったかについて説明してくれた」
■レッドブルはすでにミス防止策を用意
レッドブルはすでにミスの再発防止策を講じたため、二度と同じことは起こらないと確信しているとリカルドは述べた。
「説明を聞くことは大事なことだったが、もっと大事なのはあの一件からどうやって前に進み、どうやって再発を防ぐかということだった。チームはあの後、ファクトリーでいろいろな対策に取り組み、今後はああいうことにならずにタイヤを間違いなく準備しておけるよう、複数のコンパウンドを同時に準備しておけるよう、ピットストップの時期に起こるだろうことに備え、新たなパラメーターをセットアップした」
「僕に関してはもうすでに気持ちを切り替えている。彼らも同じだから、それはいいことだよ。今後同じ状況になっても二度とああいうことは起こらないと確信している。それをチームから聞きたいと思っていたし、聞く必要があった」
■1回目のピットストップのミスも軽視できない
注目を浴びたのは、作業で大幅にロスした2回目のピットストップだったが、最初のピットストップに関しても問題があったとリカルドは考えている。リカルドはウエットからインターミディエイト、スーパーソフトへと、2回交換を行ったが、ハミルトンはウエットからウルトラソフトに交換して走り切って勝利を手にした。
「皆が2回目のピットストップに注目した。あそこで実質的にレースを失ったからだ。でも僕は1回目のピットストップについてもチームに質問した。あのピットストップによって僕はルイスの後ろに下がった。『僕らは自らルイスと戦わなければならない状況に身を置いたことになるぞ。必要ないのに……』と僕は思ったんだ」
「最初のピットストップについても2回目と同じぐらい真剣に検証してほしかった。(エンジニアの)サイモン(・レニー)は、それについては調査していないがあれもミスだったと認識していると話してくれた。僕の考えではあれはミスだ」
「だけど今後、戦略に関して新しいソフトウェアを導入する。ぎりぎりで判断を下した場合でも対応できるような準備を整えることができる。僕は聞きたいことがたくさんあった。彼らはそれに自信を持って答えてくれた。僕としてはそういう答えが聞きたかった」
■「チームへの信頼は揺らいでいない」
2戦にわたる失敗についてチームを本当に許せたかと聞かれ、リカルドは、今も強い信頼を抱いていると答えた。カナダでは互いに完璧な仕事をすることが重要だとリカルドは言う。
「数日間、動揺していたし、失ったチャンスを思って悲嘆に暮れていた。でもああいうことは起こるものだ。2戦続けて起きたのは不運だったけど。だから感情が高まった」
「でももう気持ちを切り替えた。もちろん今もチームを心から信頼している。彼らは前進し続けている。何の疑いもない」
「カナダでは僕もチームも完璧な週末を送り、軌道に戻すことがとても重要だ。いいマシンがあるのは明らかだから、それを最大限に活用するだけだ」
「もっとやれたはずだという気持ちで日曜を終えた週末が続いた。だから、今週末は(僕もチームも)両方が100パーセント力を出し切ったと思える状態で、日曜にここを発ちたい」