バレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)は先週末のバルセロナGPで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)と握手を交わし、関係を修復できたと語った。
ロッシとマルケスは昨年行われたマレーシアGPの決勝レースで接触し、マルケスは転倒してリタイア。その際、マルケスはロッシが自身のマシンを蹴ろうとしていたと主張し、両者の関係は悪化していた。
そんなふたりが、先週末のカタルニアGPで激しい優勝争いを展開。レース終盤には、毎周のようにポジションを入れ替えるバトルを繰り広げたが、最終的にはロッシがトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。このレース終了後、ロッシとマルケスはパルクフェルメで固い握手を交わしている。
この週末、Moto2クラスのルイス・サロムが亡くなるアクシデントがあり、ロッシはこの事故がきっかけで、マルケスとの関係を修復する決意をしたと語った。
「こういったアクシデント(サロムの死亡事故)が起きると、そのほかの争いなどは取るに足らない事象だと痛感する。正しいことをするべきだと感じたんだ」
「このスポーツは本当に素晴らしいものだが、時として冷静にリラックスした状態でいる必要がある。僕たちは強い情熱を持ってレースを戦っているが、このスポーツはとても危険な側面も持ち合わせているんだ」
「ほかのライダーたちと普段と変わらない振る舞いと感情でいることができれば、よりリラックスして、レースに集中することができる」
ロッシはチームメイトのホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)とも関係が悪化しているが、この状況を改善することは難しいと認めている。
「ロレンソとの関係は、今回とは少し事情が異なる」
「シーズン開幕直後は、ロレンソとの関係が悪くなるとは思っていなかったし、『チャオ』と挨拶すら交わさない状況になるとは想像しなかった」
「少なくとも僕はヤマハに復帰してから、ロレンソに言葉をかけていた。『調子はどうだい』といった感じにね」
「今年は、彼の方から僕に話しかけてくるのを待っていたんだ。残念ながら、一度も会いには来なかったよ。だから、この件については、ロレンソに事情を聞くべきじゃないかな」
また、ロッシはこの週末に激しい優勝争いを演じたことが、亡くなったサロムとその家族への追悼になると語っている。サロムの家族は、事故後も大会を通常通り開催することを希望していた。
「サロムへ哀悼の意を示すための正しい選択肢だったと思っているし、あのバトルが遺族の慰めになっていると嬉しいね」
「確かに重要なことではないかもしれない。しかし、僕たちライダーにしかできない気持ちの示し方なんだ」
「レースウイークはいつも興奮しているけれど、同時に難しさを感じている。金曜日に事故が起きて以降、コースインするモチベーションと高い集中力を維持するのが大変だった。本当に悲しい事故だった」