世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンのセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)は、WRCの出走順規則を「ジョークのようだ」と批判。シリーズ9連覇を達成しているセバスチャン・ローブも、オジエの意見に同意している。
現行のWRC出走順規定では、競技最初の2日間はポイントランキング順で走行順が決められ、最終日のみ、当該イベントの総合順位に従って走行する。
特にグラベルイベントでは、出走順が早いほど路面コンディションが悪く、先頭ドライバーは道路の“掃除役”を強いられることもありタイムを出しにくい。4月に行われた第4戦アルゼンチンのSS11を先頭で走行したオジエは、このステージだけでSS首位のヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)から24秒も離されてしまっている。
オジエは「この話題には触れたくない」と語る。
「あの時(ラリー・アルゼンチン)はラリーを早く終わらせて、早く家に帰り、違うことに没頭したい気分だった。ラリーという競技が、とてもつまらないものに感じられたよ」
「年々、選手権自体がジョークのようなものに感じられるようになってきた」
オジエの発言に対し、今年プジョーから世界ラリークロス選手権(WorldRX)に参戦しているローブも「彼の意見に賛同する」とコメント。現行の出走順規定に関しても批判した。
「なかには、オジエがこの件に触れるべきではないと言う人もいるだろう。しかし、私は彼の意見に賛同する。WRCに参戦していた時から、公平性が重要だと訴えていた。ベストなドライバーとベストなチームが勝利を手にするべきなんだ」
「オジエの苛立ちも理解できる。2日間の“掃除役”は重荷すぎるんだ。1日だけならば厳しい戦いになるが、(優勝できる)チャンスがある。しかし、2日間となると、勝負権はまったくなくなってしまう」
「彼が現在WRCに参戦しているどのドライバーよりも優秀なのは間違いない。誰よりも優秀なドライバーが勝つのが自然な流れだと思っているよ」
FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは来シーズンに向けて、あらゆる側面からレギュレーションの見直しを進めていることを明らかにした。
「あらゆるものが議論の対象になっている」とマホネン。
「予選システムの導入といったものから、選手権リーダーが3日間とも先頭で出走するという案まで、ありとあらゆる可能性を検討している」