6月7~8日に鈴鹿サーキットで行われたスーパーGTタイヤメーカーテストでは、10台のGT300マシンが参加しテストを行ったが、GT300マザーシャシーのシンティアム・アップル・ロータスが、2016年仕様のエアロを投入した。
ムーンクラフトがメンテナンスするシンティアム・アップル・ロータスは、FR用のマザーシャシーをミッドシップ化。2015年はポールポジションを獲得するなど速さをみせてきたマシンだ。今季は開幕戦岡山は昨年同様のエアロで、第2戦富士はロードラッグ仕様で登場してきたが、今回の鈴鹿テストでは、フロント、サイドのエアロが変化していた。
フロントはグリル部分の形状が変化しているほか、フェンダーの形状も変更。また、カナードが装着されている。サイドシルは複雑な曲面だったのが、シンプルな形状に改められた。
この変化について、ムーンクラフト由良拓也代表に聞くと、「16年仕様なんです。これはハイダウンフォース仕様で、去年のものよりもダウンフォースが増えています」とのこと。なお、ロードラッグ仕様は昨年同様なので、第5戦は第2戦と同じエアロでの参戦になるとか。
そんなシンティアム・アップル・ロータスだが、8日の朝になると、強烈にアグレッシブな形状に変化していた。カナードはギザギザ状になり、フロントフェンダー後端も、まるでニッサンGT-RニスモGT500の“シャークティース”のような形状が見て取れた。
まさかさらなる新エアロか……!? と写真を撮影し、メディアセンターで良く見てみると、何か様子がおかしい。由良代表いわく、なんと「ガムテープのイタズラ(笑)」なのだ。黒いガムテープでギザギザ形状を作っているだけだった。走っているのを見ると、かなり“本物”っぽく見えただけに、逆にビックリだ。
じつは今季から、シンティアム・アップル・ロータスはグリル部分に“キバ”がテープで描かれている。今回のギザギザ状のものは、その「一連のイタズラのシリーズ」だ。
「テストの間でヒマだったときにキバをつけたら、ピットウォークですごく子どものウケが良くて。そんなに人気あるならそのままにしようと思ったんです」と由良代表。
今回のカナード等のギザギザも「本番もこれでいくんですか?」と聞くと「それはどうかな~」とのことだったが、攻撃的なスタイルはロータスに良く合っていると個人的には感じている。読者の皆さんはいかがだろうか?