フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R スーパーGTのタイヤメーカーテストは6月7~8日の2日間鈴鹿サーキットで行われ、1日目午後にフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがマークした1分47秒269が最速となった。2日目には、130Rで大きなクラッシュも発生している。
■1日目は雨交じりのテストに。ヨコハマ勢が好タイムを記録
GT500クラスが7台、GT300クラスが10台と、合計17台のマシンが参加して7日スタートしたスーパーGTのタイヤメーカーテスト。今回は一般にも公開されており、公式テストほどではないものの、初日から多くのファンがスタンドやパドックを訪れ、スーパーGTの走りを楽しんだ。
迎えた7日午前のセッションは曇天でスタート。ただ、開始直後にカルソニックIMPUL GT-Rがデグナーでコースアウトを喫し、セッションはいきなり赤旗となってしまう。その後、30号車TOYOTA PRIUS apr GTのコースアウトでも赤旗提示。セッション終盤には、鈴鹿には少しずつ雨が降りはじめてきた。
1日目午前は最終的に、WedsSport ADVAN RC Fが1分48秒397というベストタイムをマーク。ZENT CERUMO RC Fが続き、レクサス勢がワン・ツーとなった。GT300クラスでは、31号車TOYOTA PRIUS apr GTが1分58秒089で最速。グッドスマイル 初音ミク AMGが2番手で続いた。
1日目午前から午後の間に鈴鹿には雨が舞い、路面はしっとりと濡れてしまう。雨はすぐに止んだが、コンディションの良化を待って1日目午後のセッション序盤は走行を見合わせるチームも。午後は途中63号車DIRECTION 108 HURACANがコースアウトを喫したため赤旗となるが、その後赤旗は提示されなかった。
午後の最速となったのはフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。1分47秒269というタイムをマークしている。2番手につけたのはMOTUL AUTECH GT-Rで、ニッサンGT-R勢がワン・ツーとなった。GT300クラスではグッドスマイル 初音ミク AMGが1分58秒352でベストタイムをマークした。
■晴天の2日目。グッドスマイル 初音ミク AMGがクラッシュ
明けた8日の鈴鹿は、早朝こそ曇天だったものの、セッション開始時の10時30分になると日射しも強くなりはじめ、気温も上昇。完全なドライコンディションで2日目午前のセッションがスタートした。GT500クラスでは、ル・マン24時間のテストデーから帰国した松田次生がMOTUL AUTECH GT-Rのコクピットに合流。ニスモでは千代勝正が初日からチームに帯同していたものの、残念ながらドライブの機会はなかったとのこと。
また、1日目に参加していたGAINERのGAINER TANAX GT-R、GAINER TANAX AMG GT3の2台が初日限りでテストを切り上げ(事前予定どおり)、GT300クラスの2日目の参加は8台となった。なお、GT300クラスのVivaC 86 MCには、「鈴鹿1000kmのときの第3ドライバー起用を見据えて」山下健太が乗り込んでいる。
2日目午前は各チームとも順当にメニューをこなしていたものの、セッションも残り30分が近づこうかという11時52分、130Rで片岡龍也がドライブしていたグッドスマイル 初音ミク AMGがスピンを喫し、アウト側のスポンジバリアに激しくクラッシュしてしまう。どうやらトラブルがあったようで、マシンはスポンジに跳ね返り着地。この際に片岡は首を痛めてしまった。
回収されたグッドスマイル 初音ミク AMGは、外観からはそれほど大きなダメージはなかったように見られたが、足回り等にかなりのダメージを受けており、午後は走行できなかった。
午前のトップは、1分48秒083というタイムをマークしたZENT CERUMO RC F。WedsSport ADVAN RC Fが2番手で、3番手はMOTUL AUTECH GT-Rという結果に。GT300クラスではシンティアム・アップル・ロータスが最速。31号車TOYOTA PRIUS apr GTが2番手となった。
■2日目午後はEpson NSX CONCEPT-GTが大クラッシュ
2日目午後も、天候は晴天。汗ばむほどの陽気のなかでセッションはスタートしていった。なお、午前中首位のシンティアム・アップル・ロータスはトラブルが発生したため午後は走行できず。GT300クラスはこれで6台の出走となった。
終盤、30号車TOYOTA PRIUS apr GTが逆バンクでコースアウトし、この回収のために赤旗が提示されるが、その後セッション終了間際にふたたび130Rで大きなクラッシュが発生してしまう。ベルトラン・バゲットがドライブしていたEpson NSX CONCEPT-GTが、130Rアウト側のスポンジバリアに激しくクラッシュ。ドアが外れるほどの衝撃で、Epsonはリヤを大破。バゲットは自力でコクピットから脱出したが、一度メディカルセンターにでチェックを受けた後、病院で検査を受けている。
このEpsonのクラッシュで、セッションは赤旗のまま終了。フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが1日目午後に続き最速で、WedsSport ADVAN RC Fが2番手。ヨコハマ勢がワン・ツーで2日間のテストを締めくくっている。GT300クラスはB-MAX NDDP GT-Rが最速。VivaC 86 MCが2番手となった。
なお、今回の鈴鹿テストでは各チームとも第4戦・第5戦を経て迎える第6戦鈴鹿を想定したウエイトを搭載してのテストとなった様子。具体的な数値は当然教えてはもらえなかったが、今季からGT500クラスで採用されているハンデ50kg以上をウエイトでこなしているチームもあった。昨年までの燃料リストリクターでの調整との違いについては、「セクター1では重さで厳しいが、パワーがある分セクター3では楽」との声もあった。