先週末に行われたカタルニアGPでクラッシュによりリタイアしたホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)は、クラッシュしたことよりも、追突してきたアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)の対応に失望したと語った。
カタルニアGPの決勝レース序盤をリードしていたロレンソだが、フロントタイヤのグレイニングに苦しめられ、12周目には5番手に後退。その5周後に追い上げてきたイアンノーネに追突され、リタイアとなった。
■ロレンソ「僕にとって最悪な出来事だった」
「イアンノーネがブレーキを遅らせすぎたのか、前にライダーがいること知りながら、あえてブレーキを掛けなかったのかは分からない」とロレンソ。
「大きな衝撃を感じ、地面に叩き付けられた。腰や鎖骨が折れたんじゃないかと不安になったよ」
「誰だってミスはするものだ。しかし、せめて『すまなかった、そのコーナーでミスをしてしまったのは自分だ』と言うべきだよ」
「ところが、イアンノーネは『君のバイクに何が起こったんだ? エンジンか何かが壊れたのか?』と聞いてきたんだ」
「審査員団は僕にテレメトリーデータを提出するよう求めてきた。そして、僕が前の周より遅くブレーキングしていたことを確認した」
「僕にとって最悪な出来事だった。彼が謝罪しなかったからね」
「イアンノーネは、あのクラッシュが自分のせいだと理解していない。彼は単独のクラッシュだけでなく、他者を巻き込むような失敗をあまりにも多くしすぎている」
「ダニ(・ペドロサ)は(第3戦)オースティンで過ちを犯した。しかし彼は(アンドレア・)ドビジオーゾの所へすぐ向かい、自らのミスを謝罪した」
「だから、今回のアクシデントは最悪の出来事だった」
■イアンノーネ「まさか、あんなに減速するなんて思わなかった」
イアンノーネはクラッシュする1周前にロレンソに0.6秒差まで迫っており、17周目の10コーナーで追いついた。
イアンノーネは「クラッシュの直後、僕はホルヘにバイクに問題があったのか尋ねた」と語っている。
「あそこでホルヘが減速したことは、奇妙に思えたし驚いた。まさか、あんなに減速するなんて思わなかった」
「彼には申し訳なく思っている。あれは僕のミスだ」
「僕はブレーキを遅らせていない。僕は同じ所でブレーキをしたし、それを理解してもらうのはとても難しい」
アクシデントが起きる前、ロレンソはチャンピオンシップでのトップの座を維持できるとみられていたが、結果的にはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)に逆転されてしまった。
■ロレンソ「「僕は競争力不足に苦しんでいた」
ロレンソは、イアンノーネに追突された件はMoto2クラスでルイス・サロムが亡くなった週末のアクシデントとしては“副次的なもの”であったとしつつも、タイヤのグレイニングに苦しめれたことを認め、チームメイトのバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)の方が巧みにレースを戦ったと語った。
「僕は競争力不足に苦しんでいた。スタートする前からフロントのグレイニングで苦しむことは分かっていたし、その通りのことが起きた」
「ロッシは同じバイクを操っているが、グレイニングは起きなかった。僕と彼はライディングスタイルが異なり、ロッシの方がフロントタイヤを労われることができ、難しいコンディションにも対処できるんだ」
「ほとんどグリップしていないような状況でもロッシは巧みにマシンを乗りこなす。今回、彼は信じられないようなレースをやってのけたんだ」
「僕は彼のようにマシンを操ることはできないし、ライディングスタイルを変える気もないよ」