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「私たちの愛は変わらない」彼女が事実婚希望…愛は同じでも「税金」の額は違う?

2016年06月08日 11:21  弁護士ドットコム

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「式は挙げたいけど籍は入れたくない」。結婚式を控えている彼女から、事実婚の提案を受けているという男性の投稿がネット上の掲示板で話題になった。


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彼女は「姓を変えたくない」「私たちの愛は婚姻届という紙切れが無くても変わらない」と主張している。男性が彼女の姓を名乗ることを提案したが、男性が家業を継いでいる身であるため、彼女は遠慮しているという。



男性は、事実婚について親族など、周囲の目もあり、ネガティブな印象を持っている。税金の面でも婚姻した夫婦よりも不利になるのではないかと不安に感じているそうだ。事実婚の場合、税金で不利な点はあるのか。新井佑介税理士に聞いた。



●法律婚と比べて、税金面の取り扱いは大きく異なる


「『事実婚』の概念は広義にわたっていますが、今回は『結婚の意思はお互いにあるけれども婚姻届を提出していない夫婦』という前提でお話したいと思います。



私自身、多様な価値観と生き方が尊重される現代においては、夫婦のカタチもライフスタイルに合わせて変化していくことは当然であり、その選択に有利不利などないと考えています。



しかし、こと『税金』についてのみフォーカスすると、有利不利は存在するともいえます。『事実婚』と『法律婚』では税金面での取り扱いが大きく異なるからです」



新井税理士はこのように述べる。どのような点が異なるのか。



「まず、事実婚は 所得税法上、配偶者控除と配偶者特別控除の適用は受けられません。



配偶者控除と配偶者特別控除の適用が受けられれば、所得税と個人住民税の税額が軽減されます。



また、相続税法上、婚姻期間が20年以上の配偶者からマイホームやマイホーム取得資金の生前贈与を受けた場合、2000万円の配偶者控除を受けられる制度があるのですが、『事実婚』の場合には適用が受けられません。



さらに、事実婚の場合、相続権がありません。遺言や生命保険金でパートナーの財産を取得することができますが、『法律婚』とくらべて相続税額が2割加算されます。



このほか、最低でも1億6000万円までは取得した相続財産に対して相続税が課税されない配偶者控除の適用もありません。



これらの制度は、いずれもその適用が受けられない場合、夫婦にとっての影響はとても大きいといえます」



新井税理士はこのように述べていた。



【取材協力税理士】


新井 佑介(あらい・ゆうすけ)公認会計士・税理士


慶応義塾大学経済学部卒業。金融機関との金融調整から新設法人支援まで、幅広く全力でクライアントをサポート。趣味はサーフィンとスノーボード、息子との早朝散歩が毎日の楽しみ。好きな言葉は「変わり続ける勇気」


事務所名   : 経営革新等支援機関 新井会計事務所


事務所URL: http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/



(弁護士ドットコムニュース)