非喫煙者からたびたび「不公平だ」という声のあがる「タバコ休憩」。特に新入社員であれば、周りを気にしてタバコ休憩を我慢していそうに思えるが、意外にそんなことはないようだ。
製薬会社のファイザーが5月30日に発表した、「喫煙習慣のある新入社員・職員と管理職の勤務時間中の喫煙に対する意識・実態調査」によれば、今年入社した喫煙習慣のある新入社員の80%が「勤務時間中に喫煙している」と答えたという。
新入社員のタバコ休憩 平均は1回9.94分
調査は、今年の春に入社・入職した喫煙習慣のある新入社員・職員150人と、管理職150名(喫煙者75人/非喫煙者75人)を対象に実施した。「勤務時間中に喫煙している」と答えた新入社員120人に対して、お昼休憩を除いたタバコ休憩の回数を聞いたところ、最も多い回答が「2回」(22.7%)と「3回」(22.7%)で、その後「1回」(15.3%)が続いた。平均回数は2.24回だった。
また、タバコ休憩1回あたりの平均時間を聞いたところ、「5分以上~10分未満」が最も多く、48.3%。以下、「10分以上~15分未満」(35.0%)、「5分未満」(12.5%)と続き、平均時間は9.42分だった。つまり、平均1日に約21分間のタバコ休憩を取っていることになる。
では、タバコ休憩を取っていることを上司から注意はされたりしないのだろうか。「喫煙を注意された」経験を聞いたところ、「ある」と答えた人は20.0%のみ。ほとんどの人は注意をされず、自由にタバコ休憩を取ることができる環境であるようだ。
一方、管理職のタバコ休憩は1日平均5.96回、これでは新人に注意もできない
しかし、管理職150人に「新入社員のタバコ休憩についてどのように考えるか」聞いたところ、「健康のためにも禁煙した方がよい」(26.0%)、「勤務時間中にタバコ休憩はとるべきではない」(17.3%)、「仕事に慣れるまでの間は喫煙の頻度や時間を減らすべき」(12.0%)と否定的に考える人も多かった。
否定的な見解を示した管理職83人のうち、実際に注意をしたのは21.7%にとどまっているが、口に出さなくとも厳しい目が向けられていることは意識した方が良いだろう。
ただ、喫煙習慣のある管理職は、新入社員を注意したら自分がタバコ休憩を取れなくなると考えている節もありそうだ。喫煙者の管理職に1日の勤務時間中の喫煙回数は5.96回と新入社員の2倍以上。「10回以上」と答えた人も28.0%いた。
また、タバコ休憩について「コミュニケーションの一環となるため吸っても良いと思う」と答えた人が、非喫煙者の管理職では12.0%だったのに対して28.0%にのぼっている。
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