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大野智、小池栄子の“大人の色気”にモンモン!? 『セカムズ』第8話の意外な展開を振り返る

2016年06月08日 09:21  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 鮫島零治(大野智)が柴山美咲(波瑠)にキスをしようと奮闘するも、卑劣な作戦に立てたことが裏目に出て、喧嘩別れとなった前話から一転、『世界一難しい恋』第8話では、零治の秘書である村沖舞子(小池栄子)の“大人の女性としての魅力”が濃密に描かれた回となった。これまで零治と美咲の恋模様ばかりを描いてきた同ドラマだけに、不意を突かれた視聴者も多かったのではないだろうか。(参考:大野智の“不自然な演技”はコメディ向き!? ベッドルームの駆け引き描いた『セカムズ』第7話の衝撃)


 いきおい余って美咲にクビを宣告してしまい、意気消沈している零治を見かねた社員たちは、“送別会”と称して二人を会わせて寄りを戻してもらおうと画策する。しかしながら、美咲はすでにライバル会社であるステイゴールドホテルへの転職を決めたことを発表。それを聞いた零治はまたしても「恩知らず、神奈川県から出て行け!」と激昂してしまい、さらに美咲から嫌われてしまう。零治の傲岸不遜ぶりはこれまでも描かれてきたが、今回のは極めつけといって良いだろう。実際、村沖までもが「さすがの私も驚きました」と呆れるほどの態度だった。


 しかし、ここまでは同ドラマのお約束といって良いパターンであり、視聴者は「ああ、またか」と感じたはずだ。予想外の展開を見せたのは、ここからである。いつものように零治を諭し、いつだって自分は味方だという村沖に対し、零治は「逆にどんなことをすれば軽蔑するんだ? いきなりキスをしても(軽蔑しないの)か?」と問い詰める。しかし村沖が「その程度では」と余裕の微笑を浮かべたため、冗談めかしてではあるが、あわや二人はキスをしそうになる。零治は村沖とのキスについて「木綿豆腐に顔をくっつけるようなもんだ」と嘯くが、確実に異性として意識してしまった瞬間だった。


 さらに、前話で村沖にフラれたステイゴールドホテル社長・和田英雄(北村一輝)が、彼女が好きなのは零治だと本人に吹き込んだため、いよいよ話の方向性がおかしくなる。体調が悪い零治に付き添い、自宅マンションを訪れた村沖は、彼のためにおかゆを作り、頭におしぼりを乗せ、洗っていない足までマッサージする。その包み込むような母性に、零治がすっかり惚れてしまったのは仕方のないことだったろう。


 実際、今回の村沖舞子=小池栄子は、まさに“ミルフ=MILF”と呼びたくなるような、成熟した女性の色香をまとっている。零治ならずともグッとハートを掴まれた男性は少なくないはずだ。カメラワークも、彼女のふとした仕草を後ろから捉えるなど、明確な方法意識が感じられた。ビシッとしたスーツスタイルでもなお豊満さを感じさせる彼女の線の丸みは、ある意味ではグラビア時代の水着姿より挑発的だったかもしれない。和田英雄が男女の関係において「エッチの100倍むずかしい」と説明する足マッサージも、艶やかな趣きがあった。


 しかしながら、ここで零治が村沖と付き合ってしまっては、ドラマが破綻してしまう。あくまで村沖の役割は零治を導くメンターであり、ヒロインになってはいけないのだ。零治はひとり盛り上がって、「お付き合いから始めてみるのはどうだろう?」と村沖に告白するが、彼女は冷静にこれを受け流し、「失恋の寂しさ、辛さを身近な女で埋めようとするのはやめてください」と諭す。そして、自分の弱さと向き合った上で、再び美咲にアタックするよう差し向けるのだった。


 本作を零治の成長物語と捉えたとき、今回はメンターとともに自らの弱さと向き合う“修行”のような回だったといえる。そう考えると一話あれば充分なのだが、正直なところ、もっと村沖にもスポットを当ててほしいと感じてしまった。小池栄子は、同時期にグラビアで活躍していた優香が“癒し系”であるのに対し、“威圧系”と称された独自の存在感で女優としての地位を固めてきたが、本作の役柄ではそうした態度の中にも深い愛情や温かみが感じられ、よりいっそう魅力的である。キャリアとともに女優としての評価を高めるタイプといえるだろう。6月13日放送予定の『しゃべくり007』(日本テレビ)では、久々に“巨乳ネタ”を披露してくれるようなので、こちらも見逃さないようにしたい。(松田広宣)