マクラーレン・ホンダは、2017年シーズンから施行されるF1パワーユニットの供給義務ルールについて、FIAと話し合いの機会を持つという。
マニュファクチャラー4社とF1首脳陣は、数カ月間に及ぶ交渉の末に、2017年から2020年までのパワーユニットのコスト、供給義務、性能均衡化、ノイズについてようやく合意に至った。これにより、エンジンを必要とするチームがいる場合、FIAはカスタマーの数が最も少ないマニュファクチャラーに当該チームへの供給を命じることができ、現時点で供給先が最も少ないのはホンダだ。
ホンダとしては、供給を強制されることには不満なようだが、もし必要とされるなら、来季から供給先にもう1チームを加えることはできるとしている。
だが、マクラーレンの総帥ロン・デニスは、別のチームへの供給について考えるのは、マクラーレン・ホンダが世界選手権を制覇した後のことになると、断固として主張し続けている。
FIAと何を話し合うのかという英AUTOSPORTの質問に対し、ホンダの長谷川祐介氏は「主にカスタマーへの供給義務についての話し合いになる」と答えた。
「マクラーレンが、私たちのリソースが他チームへのエンジン供給に割かれることを望まないのは当然で、それには私も同意する。彼らはライバルの競争力を上げる事を望んでおらず、ホンダも供給を義務付けられることを望んではいない。だが、これはレギュレーションとして決まったことであり、それがF1全体のためになるならば進んで協力したい」
また、エリック・ブーリエは、エンジンのレギュレーションに関して、現在もFIAとの論議が進行していると語った。
「このレギュレーションに関してというより、FIAとエンジン・マニュファクチャラー4社間の合意が、どのような影響をもたらすかについて、いまだFIAとのディスカッションが続いている。合意している内容については、私たちも賛成だ。ただ、まだ議論が終わったとは言えない条項もいくつかある」
「私たちには私たちの意見があり、立場がある。競争力の高い第4のパワーユニットという地位を、できるだけ早く確立するために、ホンダとともにF1に多くの投資をしてきた。それゆえに、私たちには他社やFIAとは意見がわずかに異なる部分もあり、話し合いの必要が生じている」
今季、ホンダエンジンの信頼性は明らかに向上し、パフォーマンスも徐々に改善されてきた。長谷川氏も、ここまで進歩してきたのは喜ばしいことだと語っている。
「いまのところ、私はとても満足している。そして、彼ら(マクラーレン)も私を十分に信頼してくれているのを感じる。当たり前のことだが、現在のパフォーマンスは、昨年の経験があったからこそ実現できたものだ。今年は昨年のような成績には終わりたくない」