ツイッターには、社会人たちが職場でため込んだ鬱憤を吐き出していると思われるつぶやきが、結構少なくない。面と向かっては指摘しにくいけど、明らかに相手がおかしいと感じている物事について、ため息混じりにつぶやいている人、割といるものだ。(文:松本ミゾレ)
先日も、あるユーザーがこんなツイートをしていた。
「先輩から『いつもお世話になってる取引先のためなら給料出なくても休日出勤するのは人として当然の事だよね?』『お金が出ないから仕事じゃないっていうのは子供の考え。社会ってそういうモンだよ?』『自分で選んだ仕事なんだしそれが嫌なら辞めれば良いのに』って言われて今(∵)こんな顔してる」
ネットでも「会社の常識、社会の非常識とはよく言ったもんだ」という声
一見して、この「先輩」の発想に頭がクラクラして、どこから突っ込んだらいいのか困ってしまった。
先輩のいう、「お世話になっている取引先」というのは、あくまでも会社側の勝手な言い分であって、「だから社員が無償で働く」ということにはならない。「お金が出なくても働け」という話だとしても、異常だろう。
会社の発展のためには社員の献身的な働きが必要なのかもしれないが、ただ理不尽なほど働くことを要求するだけでは、人はついて来ない。そりゃあこのツイートをした方だって真顔になってしまうというもんだ。
このツイートには多数のリプライが寄せられている。先輩を擁護する声はほとんど見られない。ざっと一部を紹介していきたい。
「社会じゃなくて会社の社会の話だよね」
「会社の常識、社会の非常識とはよく言ったもんだ」
「仕事って時点で対価は発生するのが常識だよ何なんだこれ。会社員は奴隷じゃない」
もうほんと、どの意見も「仰る通りです」と言いたくなってしまうほどに正論ばかりだ。それにしても、こういう滅茶苦茶な先輩の下で働く人が不憫でたまらない。
普通の大人ならお金にもならないことを仕事にはしない!
この先輩の主張は、個人的に一つも賛成するところがない。意識が高いけど頭が意識に追いついていない、変なセミナーの受講者みたいに思える。
「お金が出ない仕事をしないのは子供」という主張にしたって、そもそも金にならないことを一生懸命するのは子供の方だろう。普通の大人はお金にもならないことを仕事にはしない。
この先輩のような人が、社会人として世の中に出歩いているのかと思うと、正直ドン引きする思いだ。仕事は奉仕ではなく、生活のために行うもので、働くからにはそれ相応の報酬を得なければ、お金を使って経済を回すことができなくなる。みんながみんな仕事をボランティア感覚でやってお金をもらわずにいると、経済を回す人間なんて誰もいなくなってしまうではないか。全く、馬鹿げた話である。
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