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アロンソの事故で初の検証システム活用。次は生体計測装置導入へ

2016年06月07日 07:21  AUTOSPORT web

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2016年F1第1戦オーストラリアGP クラッシュしたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)
FIAはアクシデントの際のデータ収集のため、ドライバーの身体的状態をチェックするバイオメトリック(生体)装置を導入することを計画している。このデバイスは今シーズン中にテストされる見込みだ。

 オーストラリアGPでのフェルナンド・アロンソの高速クラッシュの調査において、アクシデント・データ・レコーダー(ADR)およびイヤホンに内臓された加速度計に加え、今シーズンからマシンに設置されたハイスピードカメラのデータが初めて活用された。

 今年は各車に1/100秒の速度で記録するカメラがドライバーに向けて設置されている。このカメラにより、アロンソのヘルメットがクラッシュの際、ヘッドレストの左内側に2回当たっていることが分かり、そのことは加速度計からも裏付けられている。

 FIAのリサーチパートナー、モータースポーツ・セーフティ・グローバルインスティテュートは、「305km/hの衝撃から、アロンソのマシンは3Gの減速を行い、空中を舞ったが、ドライバーに大きな怪我はなかった。これは主にマシンに備えた安全システムが要求に応える働きをしたからこそ実現した」と事故の総括を行っている。


 リサーチ担当ゼネラルマネージャー、ローラン・メキエスは、事故調査のシステムは大きく進歩しているものの、まだやるべきことはあると語った。

 FIAのAuto誌のインタビューにおいて、メキエスは「決して立ち止まることのない活動だが、大きな進歩を成し遂げたのは確かだ」と述べている。

「次なる段階はバイオメトリクスだ。ドライバーの心拍数、体温、発汗レベルなどのデータを収集する」

「今シーズン中に、ドライバーに何らかの装置をつけることができればと思っている。少なくともテストでそれを行いたい」

「バイオメトリックデータによって、救護隊がクラッシュ前、クラッシュ時、クラッシュ後のドライバーの状態を知ることができる」

 FIAは今後さらにマシンに設置するカメラの数を増やしたい意向だ。

 来年、F1にはコクピット保護デバイス、ハロが導入される見通しとなっている。