トップへ

ヤマハ モトクロス世界選手権第10戦フランスGPレポート

2016年06月06日 18:31  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ロマン・フェーブル(Monster Energy Yamaha Factory Racing Official MXGP Team)
モトクロス世界選手権
Motocross World Champion MXGP

RACE DATA
■大会名称:2016年第10戦フランスGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2016年6月5日 ■開催地:サン・ジャン・ダンジェリ(コース長:1,500m) ■天候:晴れ/曇り 気温23°C

REPORT

フェーブル、母国フランスで勝利を飾る

Monster Energy Yamaha Factory Racing Official MXGP Teamのライダー、ロマン・フェーブルが日曜日、母国グランプリで勝利を飾った。新人時代のスーパーモトでのスキルを使い、フランスGPの急なアップヒルと長いダウンヒル・ジャンプを制覇。前日にヤマハとの契約の3年間延長にサインしたフェーブルは何万人ものフランスのモトクロスファンを前に、フランス・グランプリで総合優勝を果たした。2015年FIM世界チャンピオンのフェーブルは、2019年までYZ450FMに乗り続けることになる。

 Kemea Yamaha Official MX Teamのライダー、バレンティン・ギヨーは、第2ヒートで他のライダーに横からぶつけられてリアホイールを破損しながらも奮闘して総合7位でフランス・グランプリを終えた。フェーブルのチームメイト、ジェレミー・ファン・フォルベークは両ヒートとも素晴らしいスタートを見せ、第1ヒートでは5位に入ったが、第2ヒートではスタート直後に他のライダーに衝突されるという不運に見舞われた。



 第1ヒート、フェーブルはT・ガイザー(ホンダ)とレース全体を通して激しいバトルを展開し、その差1秒以下という僅差の2位でフィニッシュした。2選手は序盤から後続グループを引き離し、フェーブルはライバルを従えて安定した走りでレースをリード。好天に恵まれたシャラント・マリティーム県のサーキットに集まったファンを沸かせた。ゴールまで残り2周、ガイザーとフェーブルは並ぶように走り、フィニッシュラインでの両選手の差はわずか0.610秒だった。

 第2ヒート、フェーブルは戦略を変更し、ガイザーを前に出して追い抜きのチャンスを待つことにした。そしてそのチャンスが到来するや、フェーブルはガイザーをパス。以後、これを引き離して行く。多くのファンが総立ちとなり、フェーブルに声援を送る中、2位に10秒の差をつけてレースを制したフェーブルは、総合成績でも優勝を果たし、最終ポディウムの最上段に立った。

 YZ450Fで初シーズンを戦うギヨーが再びトップレベルの速さを見せつけた。第1ヒートでトップ5に近づくと、第2ヒートではアップダウンが絶え間なく続くこのコースでリアホイールを破損。加速と制動の性能が変化する中で見事な対応を見せたのだ。ギヨーは第2ヒートではトップ10圏内でフィニッシュし、総合7位に入った。ギヨーは週末ごとにトップ5に近づいている。

 ファン・フォルベークは、第1ヒートでは長引く手首の負傷が改善しているところを見せたが、第2ヒートでは不運が襲う。見事なスタートを決めた後、クラッシュしたライダーが、ファン・フォルベークの下になり、YZ450FMと絡んだバイクを離すことができず、両ライダーはほぼ1分をロス。ファン・フォルベークは最後尾まで後退してしまうが、33番手から18番手まで挽回してレースを終え、総合11位に入った。

 MXGPライダーたちは一週間のオフの後、6月18、19日に英国のマッテリー・ベイズンで選手権第11戦を迎える。

 フランスでの勝利により、フェーブルは2016年FIM世界選手権ランキング2位を維持し、3位のA・カイローリ(KTM)との差を広げた。ファン・フォルベークは6位につけており、これに続くライバルに83ポイントの差をつけている。一方、ギヨーはひとつ順位を上げて8位となり、続くライバルのK・ストライボス(スズキ)に4ポイントリードしている。



COMMENT
ロマン・フェーブル選手談(2位/1位:総合1位)
「新しい契約を、母国グランプリの優勝で飾ることができてとてもうれしい。今日のこの勝利について、ヤマハにお礼を言いたい。GPで勝つのは、とくに母国GPで観衆の前で勝つのはすごいことなんだ。朝のフィーリングが良かったし、ここサン・ジャン・ダンジェリのコースでのスタートのためにハードワークをしてきた。メカニックとデイレクターたちはパドックとコース上の各コーナーの細かいところまで見て、そうやってみんなで掴んだ勝利なんだ」

バレティン・ギヨー選手談(6位/8位:総合7位)
「第2ヒートでは3周か4周したところでリアホイールが壊れ、各コーナーでスライドとスリップを繰り返すようになって加速が厳しくなった。ベストを尽くしたけど、不運としか言いようがない。第1ヒートではすごくいい速さを見せたし、結果にはすごく満足している。トップ5は充分可能性があると思うし、2週間後のマッテリー・ベイズンが楽しみだ」

ジェレミー・ファン・フォルベーク選手談(5位/18位:総合11位)
「すごいスタートをして、目の前でクラッシュしたライダーを避けられなかった。そのライダーからバイクを引き離すのに1分かかってしまった。不運としか言えない。レースを失ったら、あとはもう、追い上げて何ポイントか挙げるしか、できることはないからね。今日、自分がやったことにはすごく満足しているけど、今日は不運に支配された。この2週間で手首が良くなってくれることを切に望んでいる。表彰台は近いと思う」