マノーのレーシングディレクター、デイブ・ライアンは、今季F1の現場に復帰して以来、まだ「事情を把握しきれないところがある」と認めている。
2009年序盤にマクラーレンを離れた後、7年ほどF1から遠ざかっていたライアンは、マノーを進歩させるというチャレンジを引き受けることを決めた。16カ月前まで破産管財人の管理下にあったこのチームは、いまだ再建の途上にある。
また、昨シーズンの終盤にはチーム内での人事の一新があり、その結果、チーム代表のジョン・ブース、スポーティングディレクターを務めていたグレアム・ロードンといったキーパーソンがチームを去った。
そのあとを引き継いだライアンは、特にグリッド後方が定位置となっているチームの状況について、まだ「再学習中」であることを認めた。
「難しいのは、チームに関わるあらゆる人々の期待を、どう維持していくかだ。ドライバーたちはフラストレーションを抱えているし、それは十分に理解できる。彼ら自身のキャリアに関わることだからね。したがって、チームとして彼らにできる限りのことをしなければならない」
「チームメンバーにも同じようなフラストレーションがある。私たちにはもっと上位でレースをする能力があることを知っているからだ。この不満を解消するには、チーム全体としてコツコツと努力を重ね、しっかりとした基盤を築いて、次の年に飛躍するには何をすべきかを理解する必要がある。そのためにやるべきことは多いけれどもね」
今年のクルマはメルセデスのエンジンを搭載し、ウイリアムズ製のトランスミッションを使っているにもかかわらず、チームは今季まだ選手権ポイントの獲得には至っていない。ライアンは、そうした状況にチームが苛立ちを覚えていることを認めつつ、現状はこれまでのシーズンの流れの中で見る必要があると思うと述べた。
「このチームが2016年のクルマのデザインに取りかかったとき、デザイナーはたった8人しかいなかったと聞いている。まずその点を考慮する必要があるだろう。実際、彼らが直面した様々な制約を考えれば、このクルマを作り上げた人々は、すばらしい仕事をしたと思う」
「だが、今年の私たちのクルマと他のチームのクルマを見比べてみると、当然のことながら、違うやり方があったかもしれないと思わされる部分もいくつかある。あと1年の時間とあと少しのリソースがあれば、来年は同じようなことができるはずだと思うし、実際にリソースは多少なりとも拡充されてきたので、そうした部分のギャップを詰めていきたいと考えている」
「今後も様々なことを学び、クルマのあらゆる部分を再検討して、まず何を改善すべきかを決めるつもりだ。私たちの場合、とにかく大幅な改善が必要であることは明らかであり、それが当面の目標だ」