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13番手スタートのブルデーが2年連続の勝利掴む/インディカー第7戦決勝

2016年06月05日 13:31  AUTOSPORT web

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セバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)
予選はQ1で脱落。13番グリッドからスタートしたセバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)が70周のバトルの末にトップでチェッカーを受けた。戦略で上位フィニッシュできることはあるが、“勝利”まで手繰り寄せるにはマシンをキッチリ仕上げ、スピードを備えていなければならない。今日のブルデーとKVSHレーシングは、まさにそれを実現していた。レース中に少し雨がパラついたが、ウェットタイヤが必要になることはなかった。

 ブルデーの最初のピットストップは4周目と早かった。レッドタイヤでの走行は最小限に留める作戦だが、このタイミングだと3ストップで走り切れない可能性があった。それを知りつつ、この作戦に踏み切ったことが勝利に繋がった。2位でゴールしたデイル・コイン・レーシングのコナー・デイリーは、最初のピットを6周目にしていた。彼らはブルデーほど大胆にはなれなかったが、「イエローが出たりすれば、何とか3ストップで走りきれそう」というタイミングまでピットを待った。その差が1位と2位になった、と言えなくもない。

 1回目のピットストップの後、ブルデーとコナーは基本的に同じ作戦で走り続け、ゴールを前に燃料を少し補給するピットストップを行い、チェッカーまで走り切った。
 ブルデーはデトロイトでの2年連続優勝(去年はレース2で勝利)=キャリア35勝目(チャンプカーでのもの含む)。デイリーは15番手スタートからキャリア初表彰台となる2位フィニッシュを達成した。

「真っ向勝負ではなかったけど、チーム・ペンスキーやチップ・ガナッシ・レーシング・チームのような強豪を相手に優勝できて嬉しい。作戦が大きな役割を果たしたのは事実だが、彼らは資金潤沢なビッグチームで、こちらは本当に小さなチーム。そんな自分たちがまた優勝できた。このオフにはフルタイムで働くクルーも大幅に少なくなっていたぐらいだが、そこからチームは一丸となって頑張り、今日、こうしてトップに返り咲くことができた」とブルデーは語った。
 
「今日の2位は優勝と同じぐらい嬉しい!」とアメリカで人気急上昇中のデイリーは語った。「自分はまだまだ経験不足で、学ぶべきことが多い。今日はチームの作戦が見事だった。最後はタイヤ交換ナシでゴールを目指すことになったが、グリップは落ちなかった」とも彼は話した。
 
 3位はファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)。レース中盤にはペンスキー勢が1-2-3-4で、チームメイト同志の優勝争いになるかと思われたが、予選3位だったモントーヤが粘り強さを見せてチーム内トップで表彰台に上った。
 4位には予選10位だったグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が食い込み、予選2位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は5位。唯一ブラックタイヤでスタートする作戦を採用したカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)は6位だった。
 
 ポールシッターのサイモン・ペジナウ(チーム・ペンスキー)はシーズン4勝目に向けてトップを走行したが、終盤に選んだ燃費走法の作戦が失敗。ペースが大きく落ちたことで順位を下げ、13位フィニッシュとなった。「マシンは速かったが、作戦で苦しんだ。最後にピットに入る作戦に切り替えていたとしても、結果は大きく変わらなかったと思う」とパジェノー。今日は彼の日ではなかったということ。インディ500、デトロイトのレース1と2戦続けて芳しくないリザルトとなった。開幕5戦で見せた強烈な勢いが失速しつつある。

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は11番手スタートから11位でゴールした。「今朝のプラクティスでもマシンに満足はできなかったので、もう一段セッティングを変えて行く必要がありました。しかし、今日のレース用に施したセッティングは良くなかった」と琢磨は苦しかったレースを振り返った。作戦もマシンのパフォーマンスを補うものにはなっていなかった。