一朝一夕で身に付けることが難しいビジネスマナー。入社したばかりの新入社員の中には敬語の使い方や身だしなみを注意され、「何でそこまで気にする必要があるのか」と煩わしく感じた人もいるだろう。
だが、ビジネスマナーが出来ている方が良い印象を与えることは間違いないようだ。6月2日にメディケア生命が発表した「ビジネスマナーに関する調査」の結果によれば、「ビジネスマナーがしっかりできている人は、仕事もできることが多い」と考えている人が81.4%にのぼることが分かった。
「鮮やかな色のシャツを着る」のは避けた方が無難かも
調査は20歳から59歳のビジネスパーソンの男女1000人に対して行われた。ビジネスマナーといっても、敬語の使い方や名刺の渡し方などには決まった作法があるものの、あいまいな部分も多い。そこで、調査では個別のありがちなシチュエーションについて「アリ」と思うか「ナシ」と思うか尋ねている。
たとえば、腕時計の種類。カジュアルな印象を与えるデジタル表示の時計をスーツ着用時に身に付けるのはどう思うか聞いたところ、「アリ」が74.0%で許容する人が多かった。時計にはそこまで気を配る必要はないと言える。
評価が拮抗したのは、「結婚指輪・婚約指輪以外の指輪をつける」(アリ:55.5、ナシ:44.5%)、「バッグに、一目でわかるほど大きく高級ブランドのロゴが入っている」(アリ:47.6%、ナシ:52.4%)だった。また、真っ赤・真っ青といった「彩度が高い・鮮やかな色のシャツを着る」は「ナシ」が多数派で72.0%にのぼった。派手な印象を与える服は控えた方が無難そうだ。
「チョコレートを食べる」は6割が「ナシ」と回答
また、社内での振る舞いについて尋ねた質問では、就業時間中に「デスクの掃除」を行うことは「アリ」だと考える人が80.1%にのぼった。仕事が煮詰まったときには気分転換にも良さそうだ。
一方でお菓子の喫食に対しては厳しい目が向けられた。アメやガムといった「口にとどまるもの」は「アリ」が60.0%だったが、チョコレートなどの「匂いが漂うもの」では「アリ」が36.1%、スナック菓子などの「食べる時に音が鳴るもの」では「アリ」が17.3%に。匂いや音といった周囲の人も食べていることに気付くものは許容されない傾向にあるようだ。
とはいっても、なかなか完璧に出来ないのがビジネスマナー。だが、新入社員の場合は過剰に心配する必要はなさそうだ。「新人1年目は失敗しながらビジネスマナーを覚えるも のだ」と考えている人も89.0%にのぼっている。
また、「新人ができていれば高評価につながると思うこと」という質問では、「身だしなみ」(28.5%)、「報・連・相」(27.6%)を抑えて「あいさつ」(64.2%)が断トツだった。新入社員はまずあいさつを心掛ければ良いだろう。
あわせてよみたい:職場での受動喫煙で年8000人死亡