5月17日に発表されたマイナビ学生就職モニター調査によると、回答した2017年卒の79.7%が、すでに「一次面接を受けた」と答えています。今年の選考解禁は6月からという建前でしたが、すでに8割の人が面接を経験していることになります。
ということは、すでに複数の「不合格」をもらっている就活生がいる可能性もあります。そういう人は、どこかに問題があるのかもしれません。いまのうちにセルフチェックを行い、早めに軌道修正をしておきましょう。(文:河合浩司)
一気にしゃべる「会話が成り立たない人」
一次面接で不合格になる就活生には、共通する特徴があります。最も典型的なのは、採用担当者と「会話が成り立たないこと」。特に目立つのは「しゃべり過ぎ」です。
例えば一次面接の開始時に、採用担当者が「先日はうちの会社説明会に来てくれて、ありがとうございます。どんな印象を持ちましたか?」という質問をしたとします。これに対しては、印象に残ったことをひと言で答えてくれれば十分なのです。
「勢いのある社長のお話がとても印象に残っています。本当に熱い方ですね!」
「社員さん同士がとても仲が良さそうだなと思いました。休憩時間などでもみなさん楽しそうにされていたので、人間関係の良さを感じました」
しかし、会話が成り立たない人は、ここぞとばかりに一気にしゃべり出します。
「私が御社の説明会に参加して印象に残った点は、社長の人柄です。私が就職活動において最も重視するのは、人間的に成長できるかどうかという点です。そのためには、常に成長を追求する環境が必要だと考えているので、これを軸に就活を進めています。その点、御社は説明会の中でも、経営者が常に上をめざし、さらに上を追求する姿勢を語ってくださっていて、事業展開についてもどんどん新規事業を展開し、活躍のフィールドを増やし…〈中略〉…だからこそ、御社を志望しています」
こうして文章で見ると、「そんなヤツいるかよ!」と思われるかもしれませんが、決して珍しい光景ではないのです。就活生がこの状況に陥ってしまうのには、次の2つの原因が考えられます。
「相手の問いに簡潔に答えること」が大事
ひとつは「面接だから熱意を売り込まなければ!」という思いから、言葉が止まらなくなること。話す内容を整理できていないことや、面接に慣れていないことなど、様々な要因があるとは思います。
もうひとつの原因は「答える内容を考えるための時間稼ぎに喋り始める」ことです。聞かれたからには何か言わなければと、焦りながらとにかく声を発するので、支離滅裂な答えが出てきます。そして、しばらく喋り続けながら頭の中で、
「しまった! 意味不明なことを喋りつづけてしまった!」
とふと気づくのでしょう。そこからむりやり面接の応答っぽく会話をつなげようとした結果、無理やり「御社を志望しています」で締めるのです。
しかし、こちらは説明会の印象を聞いただけに過ぎず、志望理由など全く聞いていません。こういった会話にならない対応を見ていると、「この人は相手の話を聞けないのか…?」と不安になるので、評価に響くことは否めません。
どちらの場合も有効な解決策があります。それは「まず相手の問いに簡潔に答えること」です。余計な説明や脈絡のない言葉を言い出すと混乱していきます。まずは「印象に残ったことは?」に対し、「○○です」でOK。さすがに短すぎると思ったら、もうひと言加える程度がちょうど良いでしょう。
一問一答を文章化してまとめてみよう
あまりに基本的なことなのですが、できていない人は意外に多いものです。社会人と接していても「答えが返ってこないなぁ」と思うことはあるものです。「簡潔に答える」癖をつけるために、就職課の面談や友人同士で面接練習をしてみるのも大切です。
答える内容を整理できない方は「面接で問われた質問」を書き出して、一問一答を文章化してみることもおすすめします。6月の選考解禁までには、まだ時間があります。いまのうちにぜひ改善策を講じておいてください。
あわせてよみたい:面接で「写真と実物」の違いを指摘されたら?