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フィリップ・グラス&パティ・スミスが来日会見、ギンズバーグへの想い語る

2016年06月03日 20:01  CINRA.NET

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左からレニー・ケイ、パティ・スミス、フィリップ・グラス、久石譲、滑川真希
フィリップ・グラスとパティ・スミスの来日記念記者会見が、本日6月3日に東京・錦糸町のすみだトリフォニーホールで行なわれた。

グラスの演奏にのせて故アレン・ギンズバーグの詩をスミスが朗読するコラボレーション公演『THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ』と、グラスのピアノエチュードをピアニストの滑川真希、作曲家の久石譲と共に演奏するコンサート『THE COMPLETE ETUDES』の開催に際して行なわれた同会見。『THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ』では、スクリーンに映し出される詩の翻訳を村上春樹と柴田元幸が手掛けている。

会見にはグラス、スミス、久石、滑川に加えて、『THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ』にギタリストとして出演するレニー・ケイ、同公演のオープニングアクトを務めるスミスの娘ジェシー・スミスとチベットの音楽家テンジン・チョーギャルが登壇。

スミスは今回の公演ついて「素晴らしい詩人で活動家でもあったアレン・ギンズバーグの世界をフィリップ、レニーと共に言葉や作品として紹介することができて嬉しいです。また翻訳を村上春樹さんに手掛けてもらうこともありがたく思っています」とコメント。

また「彼と出会ったのはニューヨークのチェルシーホテルの近く。アレンは私を男の子だと思って声をかけてきた」とギンズバーグとの出会いを明かし、「彼は政治活動のことやウィリアム・ブレイクのこと、ウォルト・ホイットマンのことなど多くを教えてくれました」「人に愛情のある人で、『アーティストは自分の世界に入り込んでしまいがちだが、そのエネルギーを人々に渡さなくてはいけない』とよく話していました」と思い出を振り返った。

一方のグラスは「アレンは少し年齢が上だったのでお兄さんのようだった。1960年代、70年代のカウンターカルチャーが今改めて認められているのは嬉しいことです。カウンターカルチャーがいまカルチャーそのものになったというのは喜ばしいことだと思う」とコメント。

スミスとの公演については、「パティとアレン、私は3人で昔からコラボレーションをしていたが、1997年にアレンが亡くなってからはしばらくやっていなかった。つい最近またパティとやるようになったが、不思議なことに彼女がアレンの詩を読むと、それはアレンでもあり、同時にパティでもある。アレンは私たち2人に非常に大きな影響を与えてくれました」と語った。

また滑川と共にグラスのピアノエチュードを演奏する久石は、最近は指揮を中心に活動しており、ピアノの演奏を人前で披露していなかったことから、何度かオファーを辞退していたというエピソードを披露しながらも、「尊敬するグラスさんのコンサートに参加させていただいて本当に光栄。グラスさんのち密な世界を表現できるように精一杯頑張ります」と公演への意気込みを明らかにした。