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佐藤万璃音、イタリアFIA-F4第3戦イモラは全レース赤旗終了で9位入賞も幻に

2016年06月03日 14:21  AUTOSPORT web

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佐藤万璃音
2016 イタリアFIA-F4第3大会(イモラ)レビュー
--全レース赤旗終了。佐藤万璃音の9位入賞も幻に--

■大会概要
開催地:イタリア・イモラ(アウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ:一周4.909km)
開催日:2015年5月27日(金)~29日(日)

■イモラ・レビュー
5月27日(天気:晴れ/路面:ドライ)予選1回目24番手/予選2回目未出走(参加32台)
5月28日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース1(28分間+1周)15位(参加32台)
5月29日(天気:雨/路面:ウェット)決勝レース2(28分間+1周)21位(参加31台)
5月29日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース3(18分間+1周)18位(参加31台)

イタリア中部のイモラで5月27~29日、イタリアFIA-F4第3大会が32台の参加で実施され、フォーミュラカーレース2シーズン目を迎えた佐藤万璃音(さとうまりの/17歳)は、同シリーズにヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)より参戦しました。

競技形態は過去2大会とは異なり、以下のように変更されました。全ドライバー参加による各15分間の予選が2回実施され、1回目のタイムで決勝レース1(28分間+1周)、2回目のタイムで決勝レース2(28分間+1周)、それぞれのスターティンググリッドを決定。決勝レース3(18分間+1周)のスターティンググリッドは決勝レース2の競技結果に基づくものの、上位10台のみリバースグリッドとなりました。

40分間×2回の練習走行を経て臨んだ27日(金)の予選1回目、コースの混雑に悩まされながらも、佐藤はトップ10確保が現実的なラップタイムで周回を重ねていました。しかし、自己ベストを叩き出して走行していた6周にコース終盤のリヴァッツァ・コーナーでスピン、コースアウトを喫しました。これで赤旗掲示となり、残り約3分半でセッションが再開された結果、佐藤の予選1回目は24番手に留まっただけでなく、予選2回目への出走も断念せざるを得ませんでした。

28日(土)正午の決勝レース1、24番グリッドの佐藤は鋭い加速で20番手へ浮上、19番手で1周目を終えました。4周目終了時点で16番手と快進撃は続いたものの、直後に事故発生によるセーフティカー(SC)導入。7周目にSCが退去すると8周目には15番手へ浮上、ところが再び事故発生でSC導入となりました。11周目にSCが退去すると13番手、12周目に9番手と入賞圏内へ大躍進。しかし、3度目の事故発生で赤旗掲示となりレース終了。規則により赤旗掲示の2周前の順位が最終結果として採用されるため、佐藤の9位は幻に終わり15位でした。

29日(日)午前の決勝レース2、予選2回目に未出走でノータイムの佐藤は本来32番グリッドでしたが、上位ドライバーのペナルティで31番グリッドとなりました。開始15分前ほどから降り始めた雨で、レースはSC先導でスタート。4周目にSCが退去して実質的なレースが始まると、この1周だけで26番手へ浮上しました。しかし、事故発生で4周目に再びSC導入。8周目にSCが退去すると、佐藤は再び快進撃を見せて22番手まで浮上。ところが9周目終了直後、事故発生で赤旗掲示となりレース終了。上位ドライバーのペナルティで、最終結果は21位でした。

29日(日)夕刻の決勝レース3、それまでの雨が嘘のように止んで強い日差しがサーキットに注ぎ始めました。路面はところどころ濡れた状態でSC先導によりスタート。3周目にSCが退去して19番手へ浮上した直後に事故発生により再びSC導入、SCが退去した4周目には18番手、6周目には15番手と急速に順位を上げました。しかし、直後に再び事故発生で赤旗掲示となりレース終了。規則により赤旗掲示の2周前の順位が採用されるため、佐藤の最終結果は18位でした。

なお、イタリアFIA-F4第4大会はイタリア・ムジェロのアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロで、7月15~17日に開催されます。

■佐藤万璃音のコメント
「15シーズンのイモラでは速かったクルマが、5月10日の合同テストでは信じられないほど遅かったので、心配しながら迎えた第3大会でした。それでも、練習走行ではチームとの共同作業で改善の兆しが見られ、セッションの最後にタイヤのスローパンクチャーに見舞われなかったら、十分にトップ10のラップタイムを残せていました」

「予選1回目は、周囲に居たクルマがバラけ始めた絶好の時期に何の前兆も感じられないままスピン、コースアウトしてグラベルベッドに埋まってしまいました。赤旗掲示でセッションが中断されたのでクルマを引き出してもらいたかったのですが、早く降りろというオフィシャルの強い指示に負けて従いました。クルマに大きなダメージが無かっただけに、予選2回目への出走が叶わなかったのは非常に残念でした」

「決勝レース1のクルマのセットアップは決してよくなかったものの、今年最高のスタートを決めて順位を上げました。ライバルに比べるとラップタイムは歴然と遅かったのですが、強い気持ちで競り合いに挑んで順位を挽回しました。9番手まで上がったところで赤旗。さらに順位を上げるだけの時間も自信もあったので、最終結果が15位と聞いたときは力が抜けました。ただ、SCばかりで実際にレーシングスピードで走る機会が僅かだったにもかかわらず、何台もオーバーテイクできたのは収穫でした」

「決勝レース2は直前に降り始めた雨で、スリックタイヤで行くかレインタイヤに代えるかギリギリまで悩みましたが、雨脚が酷くなったので結局はレインを履きました。SC先導で始まったので、自分の強みであるスタートダッシュは生かせませんでした。このレースもSCばかりで最後は赤旗で終わり、戦うチャンスがほとんどありませんでした」

「決勝レース3も、天気と路面の急激な変化によりSC先導で始まりました。やはり戦うチャンスはほとんどありませんでしたが、リタイアすることなく順位を上げて18位。予選1回目のスピンに始まり、レーシングスピードで走れる機会も決勝の3レースで合計10周くらいしかなかったという、本当に欲求不満の週末でした。それでも決勝レース1のように、自分が前のクルマを抜くときに後ろのチームメイトも一緒に抜いてこられるよう、チーム全体の結果も考えてレースを組み立てる余裕はありました」