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温厚そうな顔のウラで「複数の愛人、豪遊、ギャンブル三昧」 60歳の総務部長が25億円横領

2016年06月03日 12:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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会社の経理を一手に任され、長期休暇など取ったことがない勤勉な総務部長。そんな人物が、15年間でおよそ25億円ものカネを着服していた。単純計算で1年に1億6000万円使っていたことになるから驚きだ。

6月3日放送の朝のワイドショーは、この男性の横顔とカネの使いみちを取り上げていた。業務上横領の疑いで逮捕されたのは、北越トレイディングの元総務部長、羽染(はそめ)政次容疑者(60歳)。昨年5月、会社の金6600万円を着服したとして懲戒解雇処分になったが、そんなものでは到底済まなかった。

近所の人は「いい人よ」「普通の会社員という感じ」

「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)が羽染容疑者を知る近所の人に取材していたが、ウラの顔には気づかなかったらしい。

「いい人よ、温厚な。公園の掃除とか、ボランティア活動もしてる」
「普通の会社員という感じで、地味な人。いつも笑顔でね。えっ、この人が?という感じ」

しかしその実態は30代の不倫相手が複数おり、連日高級ワインを飲みながら10数万円の食事。おこずかいやマンション、車などをプレゼントし、自らは株の投資、競馬などのギャンブルにも使っていたという。

なぜあぶく銭を手にしたオトコは、こうも似通った芸のないカネの使い方しかできないのだろうか。コメンテーターの長島一茂さんも感慨深げにこう漏らした。

「男の欲望でしょ、コレ。男の欲望っていうと、飲む・打つ・買うになるんだね」

「白熱ライブビビット」(TBS)では、羽染容疑者が奥さんと共に新潟県長岡市内のそば屋や小料理店を訪れる姿を取材していた。一回に使うのは7~8000円ほどで、それほど派手ではないがブランド物を身に着け、羽振りの良さは感じたという。

その一方、愛人と10数万円の高級料理をバンバン楽しんでいたのだというから、人間というものは陰で何をしているのか分からないものだ。

たった1日、有休を取ってしまったがために発覚

なぜこんな不正ができてしまったのか。北越トレイディングは北越紀州製紙グループの子会社で、羽染容疑者は親会社から来た経理のスペシャリスト。監督者もおらず、社長は非常勤。副社長は事業のことは全く分からないお飾りなので言われるままにハンコを押してくれる。チェック体制はなく、環境は完璧に整っていた。

仕事ができる信用がある人として15年もの間、1人で総務・経理を引き受け、配置転換もなし。長期休暇を取ったことは1度もなかったというから、周囲にはよほど真面目な管理職と映ったことだろう。

ところが去年のゴールデンウィークの5月1日(金)、1日だけ休んで6連休にしてしまった。その日、銀行から確認の電話がかかってきて不正が発覚したという。羽鳥さんは、これを殊更に強調していた。

「15年ずーっと(休まず)働いてきたのに、ちょっと一日長く休みたいとたまたま思って、ここで、たまたま発覚した。出勤してたらまだ発覚していない可能性がある。たまたま休むと、こういうことになるんですよ」

まるで休んだことが悪いように聞こえるが……。批判の方向性が違う気がするが、皮肉としては面白い。ちなみに大手金融機関では、このような不正を発覚させるために、必ず長期休暇を取らせるようになっている。

社長や副社長も、まったく情けない

ちなみに逮捕されたとき、羽染容疑者は川崎市内の築28年、家賃6万円のアパートにいた。5月に懲戒解雇されてから、弟が住んでいたアパートに転がり込んだという。仕事しておらずボランティアや釣りをし、たいてい家でゴロゴロしていた。奥さんとは、どうなっていたかは不明だ。

志の高い人であれば、25億円もあれば世のためにもう少しマシな使い方をしていたのではないかと考えると、虚しくなる。社長も副社長も年功序列で高額な報酬を受け取っていたのだろう。いい歳をしてちゃんとした仕事もできず、まったく情けない限りだ。(ライター:okei)

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